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田代尚機(たしろ・なおき)

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
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アメリカの金利上昇が懸念材料!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

投資家の関心は金融リスク縮小から成長戦略へ!!

金融当局による金融リスク縮小政策はひと段落したのではなかろうか?

公開市場操作は7月7日現在、11日連続で見送られている。新たな資金供給は行なわれていない。

それどころか、過去に行ったリバースレポ取引の期限到来により、この間に6300億元の資金を回収している。

にもかかわらず、SHIBOR(上海銀行間取引金利)は低下傾向を示している。

たとえば、7日のSHIBORは6月23日と比べ、すべての期間で低くなっている。例えば翌日物は2.533%で0.277ポイント、1カ月物は4.215%で0.374ポイント低くなっている。

昨年11月以降、上昇トレンドが発生していたSHIBORだが、各期間の推移だけを見ると6月下旬にピークアウトしたように見える。そうであれば、株式市場にとっては朗報である。

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不動産政策に関しては北京市が3月17日、投機を抑えるための詳細な管理強化政策を打ち出して以来、各地域が追従した。

価格上昇に制限を設けるなど、より直接的な管理方法を取る地域まで現れている。

5月の70大中都市新築商品住宅価格指数をみると、前月との比較では上昇した都市数は56都市で、3月よりも、6都市、4月よりも2都市減っている。

一線都市の内、深センは下落、上海、北京は前月と同じとなっている。過去1年でみると上昇の目立った鄭州、合肥、南京、杭州などが下落に転じている。

表面的な価格指数の変化や、5月の不動産開発投資などに大きな変化がみられるわけではない。

しかし、当局は一線、二線都市を中心に発生している一部の極端な投機を抑えたいのであって、上昇の目立たない都市や、適正な一件目住宅に対する需要を抑えたいわけではない。

不動産には巨大な潜在的な実需がある。少なくとも、不動産バブル退治のために金利が大きく上昇するようなことはないだろう。

株式市場における投機行為の抑制については、上場企業の大株主、企業幹部に対する株式売買規制の強化、昨年大きな問題となった保険資金を用いた企業支配に関して、これを厳しく取り締まる規制が打ち出されている。

本土市場は現在、投機的資金が流入しているといった状況ではない。株式市場に対する政策は金融政策とはほぼ無関係である。

金融リスクの中核は銀行にある。そもそも、この問題が強く意識されるようになったのは、一部の金融機関が、オフバランス取引である理財商品について無謀な拡販、目いっぱいレバレッジをかけた上での無茶な運用をしたことが問題である。

企業の債券発行残高が多い点も、その多くを保有する銀行の問題でもある。

6月には銀行に対してMPA( Macro Prudential Assessment)検査が行われた。MPAとは、中国人民銀行が2016年から始めた審査評価システムである。

銀行の経営内容について、資本・レバレッジ、資産負債、流動性、プライシング行動、資産の質、外債リスク、信用貸出政策といった7つの方面から審査評価するシステムであり、資本充足率を評価することを目的としている。
オフバランス取引に対する調査が組み込まれており、MPA検査を通して、金融レバレッジの正常化が図られている。

こうした当局による監督管理の強化が十分であったかどうかは現段階ではまだわからない。

ただ、銀行間取引市場で金利が低下していることや、M2伸び率が劇的に鈍化しているといった状況を見る限り、足元で銀行の資金需要は落ち着いているといえよう。

一方、経済統計を見る限り、固定資産投資や生産はしっかりしており、経済成長に影響が出るほどではない。

一連の金融リスク縮小政策は成果を上げており、ひと段落したのであろう。

上海総合指数は7日現在、終値は5月11日の場中安値から6.7%上昇している。4月中旬の急落直前となる4月13日終値の水準まであと1.8%に迫っている。

本土市場は金融リスク縮小政策がひと段落したことを既に織り込み上昇している。

もっとも、上海総合指数が年初来高値を付けて上昇トレンドを形成するためには、しっかりとした材料が欲しいところだ。

それはPPP(官民連携)プロジェクトなのか、一帯一路戦略なのか、或いは新規産業への支援策なのか。

いずれにしても下期の相場は期待が持てそうだ。

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