たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!!

田代尚機(たしろ・なおき)

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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本土市場、下半期楽観!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

金融リスク縮小政策は実体経済に影響なし?!

多くのエコノミストたちの景気見通しがやや悲観的となる中、国家統計局が30日に発表した6月の景気指標は意外な結果となった。

6月の製造業PMIは51.7で、5月の51.2と比べ0.5ポイント高く、本土エコノミストたちによる予想の平均値である51.0よりも0.7ポイントも上振れした。

細目指数を整理して、大まかな景気のイメージを示すと、新規受注、新規輸出受注が拡大(景気判断の分かれ目となる50を上回っている)・改善(前月を上回っている)している。

受注残は縮小(50を下回っている)しているものの、改善している。

需要がしっかりしているので、生産の拡大を加速しているものの、追いつかず、製品在庫は減っている。経営者の見通しは楽観に傾いている。

需給はタイトになっており、原材料価格は上昇が加速、工場出荷価格は下落ペースが弱まっている。

tashiro20170706_6月の製造業.png

産業別にみると、医薬製造、電気機械、交通設備といった装置製造業、ハイテク製造業が好調である。産業構造のレベルアップ、供給の質が改善されている。

ただし、石油化工、コークス、化学原料、化学製品、化学繊維、ゴムプラスティック、非金属鉱物製品など一部の伝統的産業の指数は50を下回っている。

また、資金繰りが圧迫されている企業の比率が4ヵ月連続で、4割を超えている。

景気は良いのだが、まだら模様のところもある。

多くの投資家にとって、もっとも関心が高いのは、金融レバレッジ縮小政策、金融業界に対する監督管理の強化、不動産価格コントロール政策である。

共産党が問題視しているのは、銀行、保険、証券、不動産業者が収益のチャンスを求めて投機を繰り返していることである。

彼らの行き過ぎた営業行為に対して、適切な規制を加えなければ、金融市場、不動産市場の健全な発展は望めない。

しかし、こうした規制は投機だけではなく、適切な投資、生産活動に対しても影響を与えかねない。

3月以降、顕著となったこれらの政策だが、今のところ、エコノミストたちの心配をよそに、実体経済は順調なようだ。

これから下半期が始まる。もっとも懸念されるのは、金融政策の方向性である。

国内の投機の状況、資金流出への対応を優先するあまり、今後も流動性資金のきつめの管理や、金利の高め誘導が行われ、それが実体経済に影響を与えるかもしれない。

しっかりと観察する必要があるだろう。

今年秋の共産党大会は、習近平体制の総決算を行う大会であり、次の5年間の体制を決める上で、重要な意味を持つ。表面的な成長率はそれほど重要ではない。

経済が良く管理されていて、持続可能な適正な経済成長が達成されていることの方が重要である。

共産党大会までは成長率が高くて、それ以降は成長率が低いといった状態は、習近平政権にとって決して望ましいものではない。

政治的な観点から、かつ、共産党の管理能力の高さから、今年下期の表面的な成長率は横這い程度だろうが、投機の沈静化、新規産業の躍進、供給側改革進展による旧産業の秩序ある構造調整など、質的な改善が進むと予想する。

本土株式市場については、投機が抑制される以上、急騰はないだろうが、逆に急落もないだろう。

社会保障基金、保険会社の運用、ファンダメンタルズを重視した産業投資基金などの長期投資家に加え、市場安定化を目的とした各種国家資金による下支えがある以上、下値は堅い。

長期投資を目指す個人投資家にとっては買いやすい時期である。

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