中国株投資家のみなさん、こんにちは。
6日の上海総合指数は安寄り後、薄商いの中で、中小型株中心に上昇するといった展開でした。大引けにかけて買いが集まり、高値引けとなっています。
少し前からの動きを追ってみると、2月23日の場中で高値3264.08ポイントを付けた後、押し目となりました。
3月3日(金)に安寄り後、下髭のある寄り引き同時線を付けた後の6日、やや小さめではありますが、陽線を付けて引けているといった状況です。底打ちした感があります。
一方、創業板指数については6日、1.79%高で引けています。
先週は狭いレンジでの横ばい圏で推移していたのですが、この日の上昇で、ようやく12月上旬の急落後の持ち合い水準まで戻しています。
200日移動平均線はまだ遠い先にありますが、75日移動平均線については、ワンチャンスで到達しそうなところまで回復してきました。
年に1度の政治的ビッグイベントが始まりました。3日(金)には全人代、5日(日)には全国政治協商会議が開幕しました。
注目の全人代政治活動報告は初日の5日午前に行われました。
政府は経済拡大を目指すというよりは、金融リスクをコントロールして、経済の質を高めることに重点を置いた経済運営方針を示しています。
今年の経済成長率については6.5%前後としています。昨年の目標は6.5%~7%で、実績は6.7%でした。
今年の秋の共産党人事に関連付けて中国は経済成長を促すのではないかといった見方もあるようですが、少なくともこの成長率目標を見る限り、そのような気配は全く感じられません。
財政赤字率は3%で昨年と同じですが、赤字額は2兆3800万元で、昨年よりも2000億元増えています。これは減税を予定しているからで、積極財政は今年も継続される見通しです。
一方、金融指標については、M2、社会融資規模残高の伸び率は12%前後としており、昨年と比べ1ポイント引き下げられました。金融政策に関しては、緩和から中立に向かうようです。
一番気になったのは、金融面でのリスク管理強化についてです。
政府は不良資産、債券のデフォルト、シャドウバンキング、インターネット金融などにおけるリスクの累積を警戒しています。
金融監督管理体制の改革を推し進め、突出したリスクを秩序立てて解消、処理し、金融秩序を整理・規範化し、堅牢な金融リスクの防火壁を作るとしています。
これだけ見ると、景気過熱下の経済政策のようです。
もっとも、こうした内容は昨年12月に行われた中央経済工作会議などの内容から予想できました。
景気が好転する中で、金融リスクのコントロールをしっかりと行い、構造改革を思い切ってやれるということは、中国経済の長期的な発展に有利です。
現在育ちつつある機関投資家にとって、買場が続きそうです。