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田代尚機(たしろ・なおき)

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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アメリカの保護主義は中国の台頭を促す?!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

アメリカも、日本も、そして中国も、貿易依存度は高くない。

2015年におけるアメリカの貿易依存度((輸出+輸入)/目GDP)は21.12%で世界197位、日本は28.11%で第189位、中国は33.33%で第178位である。

先進国ではドイツが70.54%、カナダが53.08%、イタリアが46.60%、フランスが43.52%、イギリスが37.45%、アジアでは、ベトナムは162.63%、マレーシアが110.11%、台湾が102.02%、タイが99.59%、韓国が72.05%である。

アメリカが保護主義政策を採ることで困るのは、アメリカとの貿易額の多い中国、カナダ、メキシコ(貿易依存度は67.94%)、日本、ドイツ、韓国といった国々である。

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もっとも影響を受けそうなのは中国であると思うかもしれないが、中国の貿易依存度は高くない。

相対的にみれば、カナダ、メキシコなどがより大きな影響を受けるだろう。

2016年の名目GDPは74兆4127億元であり、2015年と比べ5兆5075億元増加しているが、貿易収支(黒字)は3兆3473億元であり、2015年と比べると3297億元減っている。すでに、貿易は経済成長に寄与せず、成長を引き下げる方向に作用しているが、それはGDP増加分に対して6.0%に留まっている。

また、貿易収支の名目GDPに対する割合は4.5%に過ぎない。中国経済の成長は投資や消費によってけん引されている。

中国の貿易構造は、依然として加工貿易のウエイトが大きく、それが約45%を占めている。

輸出が今後、減少したとしても、加工貿易分については、原材料、部品などの輸入が見合いで減少することになり、中国側の減少分は付加価値相当分でしかない。アメリカの保護主義による影響は回り回って他国に及ぶことで中国への影響は軽減される。

アメリカに輸出しにくくなれば中国はどうするだろうか?

まずは内需を拡大させるだろう。中国のインフラは長期的に不足している。鉄道、高速道路、航空を整備し、都市化を進めることで、現在とても非効率な中国の広大な土地、膨大な人口をより有効に利用することができる。長期的な成長を促すことになる。

次に、アメリカ以外の国への輸出を増やそうとするだろう。

それは"一帯一路"戦略の加速にもつながる。一帯一路戦略は双方向の貿易量を増やすといった趣旨である。

関連各国の中にはアメリカに輸出しづらくなった分、中国に売ろうとするところも出てくるだろう。それを受け入れつつ、一方で資本を投下し生産を助けることで経済的な利益を得ることができる。

習近平国家主席は17日、ダボス会議に出席し、講演を行ったが、「中国は人民元安を通じて競争力を高めるつもりはない。今後5年の間、開放を続ける」などと発言している。

世界第2位の経済規模にあり、しかも高成長を続ける中国市場を開放する。自由貿易を標ぼうし、共存共栄の名の下で、他国への資本投資を加速する。

アメリカがこれまで行ってきた戦略を今度は中国が行おうとしている。

結局、アメリカの保護主義は中国の台頭をサポートする有力な政策となりそうだ。

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