たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!!

田代尚機(たしろ・なおき)

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
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2017年もインフラ投資関連に注目!!

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 中国株投資家の皆さん、こんにちは。

 香港株、2016年は一体何を買っておけばよかったのか?

 2015年12月31日から2016年12月30日にかけて、主な香港上場銘柄について騰落率(配当を含め権利落ちを考慮した修正株価)を計算してみた。その結果をここで簡単に紹介しておきたい。

 まず、電子部品の上昇が目立った。プリント配線板などの表面処理に使われる銅張ガラスエポキシ積層板などを製造するキングボード・ラミネート(01888)が175.1%上昇、スマホ撮影モジュールなどの光電製品を製造する舜宇光学科技(02382)が93.2%上昇、スマホなどの液晶ディスプレーを製造する信利国際(00732)が71.6%上昇した。

 理由は明らかだ。国内のスマホメーカーが積極的に高品質の新製品を発売、部品メーカーを中心に受注が好調となった。スマホメーカーは競争が激しく、勝ち組もあれば負け組もある。しかし部品メーカーはおおよそフル稼働状態であった。業績が良いから買われたのである。

 次に、自動車の上昇が目立った。中国重汽(03808)が81.9%上昇、吉利汽車(00175)が81.1%上昇した。

 前者については、インフラ建設投資加速から、大型トラック需要の拡大見通しが広がった。後者については、2015年10月1日から実施された自動車産業支援策が効果的であった。1600cc以下の排気量となる小型車に関して、自動車購入税が半減されることや、政府機関、傘下企業が公用車、社用車を購入する場合、一定比率の新エネルギー自動車の購入を義務付けるなどの需要喚起策が功を奏し、中小型株を中心に自動車販売台数が大きく増えた。また、新エネルギー自動車の開発が進んだ。


 そのほか、通信関連の設備投資が好調なことから関連の設備メーカー、石油価格の回復から石油掘削機械、インフラ建設投資加速から建設機械、供給側改革の進展により価格が上昇したことで石炭、鉄鋼、紙などがそれぞれ買われた。また、業績が底打ちした感のあるマカオカジノなどが大きくリバウンドした。

 下落した銘柄については、競争に敗れて業績の悪化した企業や、市場の伸びがやや鈍化したアパレル、価格面で厳しかったクリーンエネルギーなどが目立った。

 香港ハンセン指数の動きを見ると、ある時は上海総合指数、NYダウに連動した動きとなり、ある時はドル指数に連動した動きとなった。また、夏から秋にかけては、深港通サービス開始による本土からの資金流入期待が株価をけん引した。相場全体の動きを予想するのは難しかった。

20170105_01.png

 しかし、上昇銘柄、下落銘柄の予想については、政策、市況などをしっかり分析すれば、銘柄をより早く、より正確に絞り出すことができたであろう。

 改めて香港市場は機関投資家中心の市場であることがわかる。緻密なマクロ、ミクロの分析がある程度報われる市場であるということだ。

 2017年はどんなセクターが買われるだろうか?

 政策の中核は、供給側改革の深化であり、国内ではPPPプロジェクト拡大によるインフラ投資の加速、海外では一帯一路戦略、走出去政策の加速などである。

 市況の変化は重要である。石油製品、化学製品、石炭、鉄鋼、セメント、非鉄金属、紙などの価格変化に注目である。大きく動くところがどこなのか?これらについては、2016年夏から秋にかけて石炭、鉄鋼価格が上昇しており、政府側に警戒感が出ている。セメントなのか、銅なのか、或いは石油製品なのか・・・、足元の価格動向に注目したい。

 工業品出荷価格指数が急騰しており、消費者物価指数(CPI)も上昇傾向が顕著である。CPIが上昇する中で、景気敏感株の物色が一巡して行き詰まるようなことになれば、消費セクターへと物色の輪が広がる可能性がある。

 世界の株式市場をみるとトランプ相場がひと段落している。1月20日の大統領就任以降、3か月で大きなサプライズがあるかもしれない。アメリカでは、金利、為替、貿易、財政などの面で実体と予想コンセンサスが大きくかい離するかもしれない。マクロベースでは不透明感が強まる中、個別銘柄への分析の重要性が高まりそうだ。市場全体が大きく動くときは、チャンスも大きい。

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