中国株投資家のみなさん、こんにちは。
23日の上海総合指数は高寄り後、買いが優勢な展開とはなったのですが、上値は重く、終値ベースでは0.44%高にとどまりました。テクニカルにみれば、先週月曜日(16日)に大きく下落したものの、200日移動平均線でサポートされた感があります。足元では期日の近い移動平均線が密集しており、ここを上に抜ければ上昇トレンドが出そうです。
一方、創業板指数の動きは緩慢で、23日(月)も0.35%高にとどまっています。この日の終値は、25日移動平均線すら回復できていません。自律反発してはいるのですが、弱い動きとなっています。
今週金曜日(27日)から、いよいよ春節休暇が始まります。
中国では正月よりも春節(旧正月)が重視されます。正月の休場は1営業日だけでしたが、春節は5営業日も休場となるほどです。
旧暦の年の瀬を控え、一旦清算される経済取引も多く、そのため、流動性資金が不足するといった事態に陥るのです。
こうした状態で、中国人民銀行は20日、流動性資金供給に関する新たな政策を発表しました。
SLF (Standing Lending Facility)、MLF( Mid-term Lending Facility)などに続き、あらたな貨幣政策操作ツールであるTLF(Temporary liquidity facilities)を作り出したと発表しました。
これは、特定数行の大型商業銀行に対する貸出です。期間は28日、金利は同じ期間の公開市場操作金利とほぼ同じで、担保は不要です。
ただし、現時点ではどの程度の規模であるのかは不明です。
先週月曜日(16日)あたりから、オーバーナイト物のインターバンク金利が急上昇しはじめ、資金ひっ迫が目立ち始めたのですが、その時点で市場では、預金準備率の引き下げが行われるのではないかといった期待が広がりました。
そうした中で、中国人民銀行は今回のような操作ツールを新たに加えたことで、足元のオーバーナイト物金利は落ち着きを取り戻しています。
TLFは、期間限定、金利固定といった点で公開市場操作と似ています。しかし担保が不要であり、銀行における担保不足問題を緩和するといった点で預金準備率引き下げと似ています。
期日が短いので、1か月を超えるような長い金利には効きませんが、今週起きるかもしれない市場の混乱に対しては十分効果があるとみられます。
中小型株の動きは相変わらず鈍く、投資家心理の回復は遅れています。
ただし、今週の上海総合指数は、上値は重いかもしれませんが、金融政策の下支えによって、下値は堅いと予想しています。