中国株投資家のみなさん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
国家統計局、中国物流購買聯合会は元日、12月の製造業PMIを発表しました。
結果は51.4で、11月と比べ0.3ポイント悪化、本土の市場コンセンサスである51.5を0.1ポイント下回りました。
ただ、前月よりは低いものの、1年を通して見れば2番目に高い水準です。
また、5か月連続で景気判断の分かれ目となる50を上回っています。
細目指数の状況は以下の通りです。
細目指数の状況をまとめて整理すると、受注は依然として好調です。しかし、原材料在庫は減少、生産も鈍化しており、経営者は少し弱気になっているようです。ただ、製品在庫は大きく減っています。総需要はしっかりとしています。
先月と比べ低下した要因として、国家統計局は「スモッグ発生(大気中のPM2.5急増)への対応から、一部の地域で緊急の環境汚染対策を実施したことで、一部の企業が減産を余儀なくされた。鉄鋼・冶金・圧延加工業が前月から3.5ポイント悪化し46.3となるなど、エネルギー多消費産業の細目指数が大幅に低下したためだ」などと分析しています。
中国のスモッグは、気温の低い地域で発生します。
都市部では冬に入るとマンション全体に熱水を循環させて暖を取るのですが、ボイラーの燃料として石炭が主に使用されます。
冬は放射冷却により地表の温度と上空温度との差が小さくなり、上昇気流が発生しにくくなります。風がない日には町全体を煙が直接覆うような形となるのです。
暖房用の石炭使用をやめればよいのですが、氷点下10度、20度となるような地域ではそうはいきません。仕方がないので、都市近郊の石炭燃料を大量に消費するような産業を中心に政府は生産自粛を要請することになります。
4月に入り熱水供給の必要がなくなるまで、こうしたスモッグ発生のリスクはありますが、毎年発生することです。
今年は今のところ少し多いようですが、あくまで天候要因なので、あまり気にすることはないでしょう。
今後の景気見通しですが、現在、新規受注から生産を差し引いた受注生産ギャップを見ると歴史的に低い水準となっています。相対的に受注が強く、生産の拡大が遅れていることを示しています。
景気は回復傾向が続くと予想されます。