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田代尚機(たしろ・なおき)

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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中国ではなぜ人民元安は悪材料なのか?

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 中国株投資家のみなさん、こんにちは。

 対ドルレートでは人民元安が進んでいる。

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 少し大きな流れでみると、2015年7月の月中平均でみた人民元対ドルレート基準値は1ドル=6.1167元であったが2016年11月は6.8375元であった。この間、11.8%のドル高・元安となっている。

 足元で見ると、アメリカ大統領選の結果が明らかになる前日である11月8日の基準値は6.7817元であった。12月16日は6.9508元で、この間2.5%のドル高元安となっている。アメリカ利上げ前である12月14日と16日とでは0.7%のドル高元安である。

 円ドルレートの動きを見ると、11月8日の終値は1ドル=105.14円で、12月16日の終値は117.98円である。この間、12.2%ものドル高・円安が進んでいるわけだが、株価の反応を見ても、マスコミ、経済界の意見を聞いても、円安は明らかに株高の要因であり、経済見通しの改善を促す大きな要因である。ならば、人民元安も株価、経済にとって好材料となるのではなかろうか?

 貿易面では説明の余地はないだろう。短期的なJカーブ効果を除けば、人民元安は輸出を伸ばし、輸入を減らすことで貿易黒字を拡大させる。2015年における中国の貿易依存度は33.3%(グローバルノートより)で世界第178位だが、日本の28.1%(第189位)よりは高い。

 細かいことを気にすれば、加工貿易の状況、輸入エネルギーの依存度、輸出商品の競争力など、いろいろなことに注意を払う必要が出てくるが、「人民元安が景気(貿易収支の拡大)にとってプラスに働くか、マイナスに働くか」だけを問うならば、明らかにプラスであろう。

 中国は対外債務が多いので、ドル高人民元安は利払い負担増となり、経済に悪影響を及ぼすといった見方がある。本当だろうか?

 2015年末における中国の対外金融資産は6兆2189億ドル、対外負債は4兆6225億ドルである。多額の対外債務があるがそれ以上の資産がある。対外純資産は1兆5965億ドルに達している。ドル高は中国にとって資産の増加を意味する。

 日本・財務省の統計では、日本における2015年末の対外純資産残高は339兆2630億円で世界最大あった。ちなみに、第2位はドイツで195兆2360億円、第3位は中国で192兆3726億円であった。

 巨額の対外純資産残高を持つ日本においては、ドル高・円安がもたらすメリットは、貿易面よりもストック面(資産評価益の発生)の方が大きい。同じ観点からドル高・人民元安の影響を評価すれば、中国においても好材料と評価すべきだろう・・・。

 しかし、話はそう簡単ではない。
 
 2015年第4四半期から2016年第2四半期までの4半期ベースの国際収支状況を見ると、貿易、サービス、所得移転などの収支を示す経常収支は大幅黒字を維持している。しかし、資本・金融収支については、赤字が大きく、国際収支は2016年第2四半期を除きマイナスであった。

 しかも、統計で把握できない資金流出(誤差脱漏)が大きく、外貨準備高は減り続けている。

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 本土投資家はQDII滬港通、深港通などを通して、海外証券投資が可能であるが、決して自由ではないし、総量ベースで国家のコントロールを受けている。にもかかわらず、2016年第2四半期の証券投資は経常収支の額を超えている。直接投資については、長らく黒字が続いていたが、ここで示した2015年第3四半期からの4四半期では3回、資金流出となっている。

 資本・金融収支の項目についてもう少し詳しく見ると、目立つのはその他投資である。貨幣・預金、貸出、その他資産への投資といった形で大きな資金の流出が起きている。

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 これらに当局の把握しきれない資金流出(誤差脱漏)が加わり、外貨準備高の減少が続いている。

 いろいろな形で資金が流出しているわけだが、日本でも為替の面だけを考えれば、資金は流出しやすいはずである。結局、ドル高がポジティブになるのも、ネガティブになるのも、すべては投資家の投資姿勢にあるのではなかろうか。

 日本では、将来ドル高が続くと予想、実際に円を売ってドル資産を買いに出る投資家はどれほどいるのだろうか?

 東京では不動産投資が活発となっており、株式市場は足元で大きく上昇しているとはいえ、預金金利は限りなくゼロに近い。なぜ日本人は預金を引き出したり、借入を起こしたり、不動産、株を売ったりして資金をねん出し、金利が高くて、通貨の価値の上がりそうな海外に資金を移そうとしないのか?

 中国人は外部環境の変化に敏感で、かつ、積極的に利益の最大化を図ろうとする。たとえ、法的にグレーな方法であっても果敢に投資・投機をしようとする。

 中国の金融問題は本質的なところですべて繋がっている。たとえば今話題となっている理財商品問題は、背景に現先取引を使って過度にレバレッジをかけた債券運用にある。昨年の株価バブルは法的に問題のある場外融資(証券会社の信用取引以外の形でノンバンクが投資家に高いレバレッジで資金を提供する)が蔓延したことが一因である。

 不動産バブルも同様だ。潜在的な住宅需要が大きいことを背景に、法律の網を潜り抜けても大きなリスクを取って投機を行おうとする人々が絶えない。それを商機ととらえて積極的に販売しようとする不動産会社、資金を貸し出す金融機関がある。こうした点が日本とは全く異なる点である・・・。

 ややネガティブに書きすぎてしまった。現段階では、資金流出が中国経済に大きなダメージを与えるほどかといえば、それほどでもない。

 外貨準備高が足元で減少しているが、2000年から2014年第2四半期あたりまでは人民元上昇圧力が強く、外貨準備高は増加の一途をたどった。この間の外貨準備高の累積増加額はそれ以降の累積減少額の7倍以上である。10数年も資金流入圧力に耐えた後、資金流出圧力がかかるようになったわけだが、そうなってからまだ2年しかたっていない。

 中国人は自国の経済や通貨に信頼を置いてないからだと考える方もいるようだが、長い間、資金流入圧力にさらされてきたことからわかるように、ほとんどの中国人はそんなことを意識していない。

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 2015年末時点の中国の外貨準備高(金を含む)は3兆4052億5300万ドルで世界第1位である。第2位の日本は1兆2330億9800万ドルに過ぎない(データ:グローバルノート)。2016年11末現在では、中国の外貨準備高は3兆1410億8800万ドルある(中国人民銀行HP)。

 外貨準備高はドル資産だけで構成されているわけではない。ドル高による他通貨の目減り分があることも考慮すれば、11か月で10%にも満たない減少は大した額ではない。そもそも現状でも中国の外貨準備高は不必要に多すぎる。GDP比でみても、日本より大きい。

 また、中国では、資本・金融取引は当局の厳しい監督管理下にある。管理を強化すれば資金流出はコントロールできる。為替相場にしても、人民銀行が介入する以外にもコントロールする方法はいくらでもある。人民元安、資金流出に関する経済・金融リスクをことさら心配することはない。

 16日に閉幕した中央経済工作会議の内容を見ると、「重要ポイントとして、不動産市場の安定的で健全な発展を促進する、金融リスクを防ぎ、コントロールする」などといった文言がある。

 今後当局は資金流出の背景にある海外への投機・投資を抑制し、金融機関のレバレッジを縮小させようとするだろう。為替相場では外部環境がどうなろうとも実質的に通貨バスケット制が維持され、株式相場では当局が急騰を防ぐ一方、下落局面では長期資金の導入を促すことで、安定が保たれるだろう。

 中国経済・金融に関する来年のキーワードは管理の強化であり、安定である。

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