酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」

酒匂隆雄(さこう・たかお)

酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

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株価下落によるリスク・オフの動き。

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先週のニューヨーク株式市場で3指数共大幅に下げてダウは6日、ナスダックとS&P.4日連続の下げを演じてその下げ幅は各々5.6%、7.6%、そして5.7%となり、結果として安全資産である米国債券と米ドル、そして円が買われて債券利回りは下落し、クロス・ベースで大きく円高が進んだ。

 

株価の下落はFRB.による利上げのタイミングや回数に対する不透明感を嫌気してのものであるが此処に来てウクライナ情勢の緊迫増加も拍車を掛けた。

筆者に言わせればこの突然の株価の下げは、秋から年末に掛けてのFRB.による利上げモード増進にも拘わらず上げ足のピッチが一向に収まらなかった株価への当然の調整だと思うのだが、如何であろうか?

先ずウクライナ情勢であるが、米政府高官が"ロシアがウクライナに対していつ攻撃するかわからない。"と発言する中、在ウクライナ・アメリカ大使館職員の国外退去を勧告するなど情勢は緊迫化する一方である。

ロシアがアメリカによる経済制裁を覚悟してまでウクライナへの武力行使に踏み切るかどうかは不透明であるが、現在最大の地政学的リスクと言えよう。

全く予断は許さない。

 

次にFRB.による金融政策の変化の行方であるが、今週25日から26日に掛けて開催される本年最初のFOMC.においてそのスタンスがより明解になると思われる。

市場の関心は、

-テーパリング終了後の3月の利上げ幅は市場予想通りの0.25%か、それとも一部の市場参加者が推測する様に一気に0.50%の利上げを行うのか?
2022年の利上げ回数は3回か、それとも4回か?
-それによっては3月に引き続き5月の連続利上げも有り得るのか?
QT.(Quantitative Tightening.)=量的引き締め=バランスシートの縮小の開始時期、及びそのペース。

などであるが、FOMC.の内容次第では更なるリスク・オフの動きが顕著化する可能性は高い。

どうやらFOMC.後の金利上昇による金利差拡大=ドル上昇と言うシナリオよりも、先週からの株値調整の動きを見ると、金利上昇=債券売り=リスク・オフ=株価下落のシナリオの方が描き易い気がする。

となると先週の動きと同様に為替市場ではドルと円が買われてクロス・ベースでの円高が続き、ドル・円は強い通貨同士のペアーで大きくは動かないかも知れない。

市場は,"2022年はFRB.の金融緩和策からの脱却、そして金融引き締めによりドル金利は上昇する。従ってドルは上がる。"と言う強い思い込みが有る。

それはシカゴ・IMM.の円のショート(118日付で約88億ドル相当のドルのロング)、そして我が国個人投資家のポジション(118日付で約22億ドルの買い持ち。)を見れば一目瞭然である。

言い換えれば、マーケットはドルが上がるであろうことを期待して依然としてドルの買い持ちである。

 

FOMC.ではドルの買い持ちを解消せざるを得ない様な動きが出るとは思えないが、ウクライナ情勢の動向によるリスク・オフの動きには要注意であろう。

酒匂隆雄の「為替ランドスケープ

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