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大暴落でも生き残る銘柄
取材日:2019年6月 8日
記事公開日:2019年6月21日

令和元年、最初のアメジストセミナーが6月8日、アークヒルズクラブにて開催されました。今回は、カリスマ個人投資家の内田衛さんを特別講師に迎え、さらにお馴染み酒匂隆雄さん、川口一晃さん、名波はるかさんも登壇。令和元年に相応しい布陣で、これからの投資戦略について盛りだくさんの話を聞くことが出来ました。こちらの記事は、カリスマ個人投資家の内田衛さんの講演内容をまとめております。

今日は18年間で運用資産を30倍にした私の投資法についてお話したいと思います。

株式投資を始めたきっかけは、親戚のおじさんからもらった株主優待でした。高校1年生の時、おじさんの家に遊びに行くと、株主優待券をもらって映画を観に行きました。株主になるってなんて素晴らしいのだろうと思い、当時高校生だった私はアルバイトに精を出し、そのお金で株式に投資しました。

大学を卒業して平成元年に社会人になり生命保険会社に入りました。当時は簡単にカードローンが組めたので、それで借り入れをし、株式に投資したところ、バブル崩壊に直面しました。しかも株式ではなくワラントに投資したため、最終的には何の価値もないただの紙切れになりました。

後に残ったのはカードローンの600万円と、父から借りた200万円の合計もの借金でした。当時の月給が15万円で、カードローンの金利が年13.2%でしたから、返済には苦労しました。

田代尚機

何とか9年を掛けて完済した後、1冊の本に出会いました。遠藤シローさんという方が書いた「株でゼロから30億円を稼いだ私の投資法」です。半信半疑ではあったのですが、この本に書かれている通りに投資してみました。手法は、簡単に言うと逆張りで、低位株を大量に仕込むというものでした。業績が赤字で無配になっている銘柄は、株価が安く放置されているので、これを仕込んでおいて黒字転換すれば復配が期待でき、株価も先行き期待から大きく上昇する可能性があります。

ということで当時、金融危機で金融機関の株価が安かったので、なけなしのお金ではあったのですが、三井信託銀行株を100円で5万株。住友信託銀行株を230円を5000株、安田信託銀行株を60円台で数万株買いました。合計800万円を投資し、1年も経たないうちに好材料が出て、三井信託銀行株はストップ高を付けました。また、他の銘柄も軒並み株価が2倍になり、バブル崩壊で抱えた800万円の借金を全額回収しました。

その後も、低位株を大量に買うという投資法を繰り返し、2001年5月に会社を辞めました。とりあえず手元に1000万円の資金があるので、なんとかなると思ったのです。この年齢になると転職が難しいという現実問題もありました。そして、専業投資家としてスタートを切った後も、しばらく資産は順調に増えていきました。会社を辞める時、手元にあった1000万円は、2002年には2000万円に。2003年には4000万円、2004年には8000万円、そして2005年には1億2000万円になっていたのです。

でも、相場の世界で良いことは長く続きません。2008年のリーマンショックによって、1億2000万円だった私の資産は、一気に3000万円まで目減りしてしまいました。信用取引でレバレッジを掛けた投資をしていたことも、資産の目減りに拍車をかけました。 それから10年。同じように割安株、低位株への投資を続け、この10年で資産は10倍にまで膨らみました。

私が株式に投資する際の留意点は7つあります。

第一に不景気のどん底で買い、2~3年放置しておくことです。で、好景気が訪れたら売却します。この方法を徹底すれば初心者でも株式で利益を得ることができます。

第二は集中投資すること。多少分散させますが10銘柄、20銘柄に分散させると資産は2倍、3倍になりません。自分で目の届く範囲という点も踏まえて考えると、3~5銘柄くらいが適正です。

第三は割安株に投資すること。成長株への投資は、PERが100倍を超えていても、株価が上昇し続けるケースがありますが、こうなると今の株価が割高なのか、それとも割安なのかの判断がつかなくなります。この点、低PER、低PBRの割安銘柄で、かつ配当利回りの高い銘柄に投資すれば、たとえ株価が簡単に上がらなくても、配当によって穴埋めできます。

第四は、勝ち組企業が業績不振企業を子会社化した時に、その子会社を買うというものです。たとえばビッグカメラがコジマを子会社化した時、コジマは良くなると思って買いました。株主優待もあるので、ひたすら持ち続けて株価は3倍近くになりました。外食産業などは、この手のケースが多いと思います。

第五は年初来安値近辺で買い、吹き値で売るというもの。

第六は国策関連銘柄を買う。「国策に売りなし」という相場格言がありますが、まさにその通りです。今で言うならキャッシュレス銘柄が該当するでしょう。

第七はワケあり銘柄を安値で買い、不祥事が解消され、株価がもとに戻ったら売るというものです。ワケありというのは不適切な会計など不祥事のことです。機関投資家は、この手の不祥事企業に投資し続けられない運用ルールを持っているため、不祥事を起こした企業の株式を叩き売りますから、そこを買いに行きます。私自身の投資でも、一番儲かっているのはこの投資手法によるものです。

ワケあり銘柄の事例をいくつか挙げておきます。 不適切会計をはじめとして何か会社の不祥事が生じると、当然のことですが、株式は売られますが、会社の存続にとってよほど致命的な理由でない限り、時間の経過と共に株価は元の水準に戻ろうとします。なので、株式が大きく売り込まれたところで買って、そのまま持ち続ければ、戻り局面で利益を得ることができます。

ただ、なんでも良いので買えば儲かるというわけにはいきません。きちんと不祥事の理由を調べて、銘柄を選別することが肝心です。一般的に株式投資で儲けられない人は、業績が絶好調の時に買っています。業績が良ければ株価も高くなるのは当然です。株式投資で利益を得たいのであれば、これから良くなるだろうと思われる銘柄を、悪い時に仕込んでおくことが大事です。

さて、この投資法で成功した一例がオリンパスでした。2500円だった。8年前。この会社は、内視鏡の世界シェア7割を持っています。これは今も同じで、本業は一切変わりませんが、不正会計という不祥事によって、株価は最も安いところで400円まで下がりました。私は1200円まで下がったところと、400円でもさらに追加買いをして4年間保有し続けた結果、株価は平均買いコストの10倍まで上昇しました。

リソー教育もそうです。昨年、全株売却しましたが、この1銘柄だけで1億400万円の利益を出しました。 不正会計が、問題視されるまで、同社の株価は600円台だったのが、最終的には200円台まで売られました。この株式を一時は最大で26万株持っていました。結論は、不正会計の問題が徐々に処理されていくなかで株価も徐々に回復し、平均買いコストの3倍以上の利益が得られました。

三菱自動車は燃費の偽装問題でした。この不祥事が発覚して、同社の株価は800円から400円まで下がりました。燃費の誤魔化しは決して良いことではありませんが、それでも半値まで売られるのは、いくら何でも売られ過ぎと判断して買いました。それから1カ月を経たずに日産自動車が買収に手を挙げ、株価が600円まで上昇したところで利益を確定させました。

2019年後半の相場については慎重に見ています。

5月は日米ともに結構株価が下がりました。NYダウは月間で1770ドル、6.7%の下落。この10年で3番目の下げ幅でした。日経平均株価は1657円、7.4%の下落です。

6月に入ってNYダウは5日続伸し、大分戻していますが、トランプ大統領の関税問題で振らされています。

7~10月は、過去の経験則に基づくと株価は上がりにくい時期です。なので、新規の投資は控えた方が良いでしょう。せいぜい秋口まで待って、下げるようなことがあったら、そこで買います。

秋は暴落シーズンです。これを過ぎてからでないと、安心して買えません。今年は特に10月1日に消費税増税、ブレクジット問題、そして日本郵政株の第三次売り出しが控えています。悪材料が目白押しです。短期売買に特化している人はまだ良いのですが、中長期のスタンスで投資している人は、まだ買うタイミングではありません。

アベノミクス相場で儲かっている人は結構いらっしゃいます。恐らく儲かって当然という気分になっている人もいるでしょう。

でも、私もその勢いで儲けた時期はありましたが、リーマンショックで大半の資金を吐き出してしまいました。そうならないようにするには、資金コントロールが大事です。信用取引を活用している方も多いとは思うのですが、レバレッジを高めた取引は避けるべきでしょう。身の丈を超えた投資は避けること。いつ何時、暴落があってもおかしくないのが、まさに今なのです。

最後に、注目銘柄をいくつか挙げておきます。

キャッシュレス関連でジャックスとオリエントコーポレーション。両者とも株価は割安です。ジャックスは業績も良く、3期連続増益予定です。オリエントコーポレーションは過払い金問題を抱えていましたが、それも峠を越えました。これまで2円配当でしたが、今期は3円配当が予定されています。目標株価は200円です。

ソフトバンクは高配当利回りで5.9%。下値も堅いので、TATERUは不適切会計によって株価がこの1年で10分の1まで値下がりしました。レオパレスと同列に見る人も多いのですが、レオパレスは建物自体が建築基準法違反ですから、まだまだ大変です。TATERUはそこまで深刻な問題ではなく、本業には悪影響が出ていません。

すてきナイスグループも不適切会計で株価が大きく下がりました。まだ結果が出ていないので、買うには早いのですが、これから会計の修正が行われ、悪材料が出尽くしとなれば注目したいところです。

フレンドリーは関西地盤のファミレスです。ビックカメラとコジマの関係と同様、ジョイフルが経営支援のために子会社化しました。今、経営の立て直しに入っていて、業態転換や新規出店を行っています。

アゴーラは関西のホテルチェーン。旧社名は東海観光です。大阪で開催されるG20もさることながら、大阪堺市にある仁徳天皇陵が世界文化遺産に指定されれば、インバウンドが期待されます。



内田衛氏プロフィール

内田衛 うちだ・まもる
個人投資家

高校時代から株の取引を開始。平成バブル崩壊で多額の借金を背負うが、自力で全額返済して大復活。大学卒業後、大手生保勤務後、フリーに。FP資格を持つ。現在の運用資金は3億円以上。株式投資では中長期、低位株投資が基本。株式のほかに、株の利益で収益不動産投資も行う。2007年8月からは『オール投資』(現在休刊)で5年以上にわたり投資日記を連載、大人気を博す。

東洋経済オンライン:内田衛の日々是投資

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