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経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」 vol.09
公開日:2019年5月31日

親の財産を把握しておこう

久しぶりのコラムになりましたが、実はこの間、父親の介護で奔走しておりました。

事の発端は4年ほど前になりますが、脳梗塞になって3カ月ほど入院。退院後は自宅で母親と暮らしていたものの、老々介護はさすがに厳しいという判断から、特別養護老人ホームへの入所を決めたところです。

それにしても、今回の経験で考えたのは、親の財産をしっかり把握しておくことが、いかに大事かということです。

皆さんは、自分の親が預貯金をいくら持っていて、自宅の権利書がどこにあるのかをご存知でしょうか。

「うちにはどのくらいの財産があるの?」などと聞いても、はっきりと答えたがらない親は少なくありません。親としては、子供に対する見栄があります。逆に子供としては、遺産目当てのように思われたくないという遠慮があります。結果、双方とも自分の家の財産について情報共有できないまま時間だけが過ぎ、親が急に亡くなったり、あるいは認知症になったりした時、にっちもさっちも行かなくなるのです。

たとえば口座名義人が認知症になったケースを想定してみましょう。親の年齢が80歳、90歳という高齢に達すれば、認知症になるリスクは高まります。もし、口座名義人である親が認知症であることが銀行側に知られたら、その時点で本人の銀行口座は凍結されます。

そうなったら、配偶者や子供が本人の代わりに預金を解約しようとしても、銀行は応じてくれません。本人の委任状があれば、代理人でも解約手続きを取れますが、認知症がひどくなっていたら、本人が委任状を書くのはほぼ不可能でしょう。

もし事前に、どの銀行にいくら預金があるのかが分かっていれば、認知症の初期段階で委任状を書いてもらうとか、解約してタンス預金にしておくとか、事前の対処が可能になります。

最悪なのは、親が超秘密主義者で、自分の財産を全く明かさずに亡くなってしまったというケースです。

ガンのように、徐々に弱っていく病気であれば、さすがに秘密主義の親でも、配偶者や子供に自分の財産の在りかを明かすと思いますが、脳梗塞や心筋梗塞、あるいは交通事故で突然死した場合は、もうどうしようもなくなります。

この場合、家探しをして通帳や保険証書、あるいは自宅の権利書などを見つける作業をするわけですが、問題はこのようなペーパーベースのものではなく、オンラインで管理されている財産です。インターネット証券会社が誕生して20年。株式や債券、投資信託、預金、保険など、オンラインで管理されているデジタル資産がどんどん増えてきています。

もし、そうした財産を保有している人が突然死に見舞われてしまったら、どうなるでしょうか。

家族でID、パスワードを共有していれば、見つけ出して現金化できますが、情報共有がまったくなされていない場合、相続時に支障を来たします。下手をすれば、どのような財産を持っていたのかを特定できず、財産がまるまる宙に浮くことになるケースも考えられます。

夫婦仲が悪く、お互いに隠し財産をせっせと作っていた場合など、相手に財産の所在が分からないよう、幾重にもベールをかけようとしますから、ますます財産の在りかを特定するのは困難を極めるでしょう。10万円や20万円程度なら「仕方がない」で済みますが、インターネット証券会社で保護預かりにしていた株式が1000万円単位であったとしたら、諦めようにも諦められません。この手の問題は、オンライン金融が広まれば広まるほど、誰の身の上に起きてもおかしくないといえるのです。

このような事態を招かないようにするためにも、親の年齢が70歳を超えてきたら、親が持っている財産に関する情報を共有するようにしましょう。なかなか親も明かしたがらないかも知れませんが、その時は、情報共有をしないまま突然死に見舞われたり、認知症になったりした時、最終的に困るのは遺族であることを説くと良いでしょう。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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