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経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」 vol.03
公開日:2018年3月22日

そろそろJ-REITへの投資が面白いタイミングに

J-REITという投資商品をご存じだろうか。「不動産投資信託」もしくは「不動産投資法人」などと言われているもので、その名の通り、さまざまな不動産を組み入れて、そこから得られる賃貸収入を分配金の形で投資家に還元するというものだ。

また、「投資口」と称される、企業で言う株式を東京証券取引所に上場しており、株式と同じように売買できる。現在、60銘柄が上場されており、投資口価格は需給バランスによって常に変動している。

つまり、J-REITへの投資で得られるリターンは、投資口価格の値上がり益と、投資口を保有することで年2回の決算時に支払われる分配金の2つになる。

そして、年間で受け取れる分配金の合計額を、購入時の投資口価格で割ったものが、分配金利回りになる。株式の配当利回りのようなものだ。株式の配当利回りがそうであるのと同じように、J-REITの分配金利回りは、分配金額がもし一定だとしたら、投資口価格が下がるほど上昇し、逆に投資口価格が上がるほど低下する。

ということで、もし利回りベースでJ-REITへの投資を検討しているのであれば、投資口価格が下がっている時がチャンスになる。

今、まさに利回りベースでJ-REITに投資すると有利な環境にある。上場60銘柄で構成されている東証REIT指数は、2016年4月に1929ポイントまで上昇した後、2017年10月の1605ポイントまでひたすら下降トレンドが続いた。

今は、2017年10月の水準からやや戻したところで推移しているが、上場60銘柄の分配金利回りの平均値は4.15%にもなる。高配当銘柄と呼ばれている上場株式と比較しても、遜色のない利回りだ。利回り狙いで投資するのであれば、今のJ-REITはなかなか良い投資タイミングを迎えていると考えて良いだろう。

では、実際に投資するとしたら、どの銘柄を買えば良いのだろうか。上場されている銘柄は60もある。しかも、J-REITの最低投資金額は、一般の投資信託の最低購入金額に比べて、やや高い。いっそのこと全銘柄に投資するという手もあるが、それにはある程度の資金力が必要になる。したがって、ある程度の分散を行うにしても、60銘柄の中から複数銘柄をピックアップしなければならない。

銘柄を選ぶのが面倒、あるいは選別基準が良く分からないという場合は、J-REITをパッケージにしたETFを買うという手がある。現在、東京証券取引所には、前出の東証REIT指数への連動を目指すETFが、7本上場されている。

いずれも東証REIT指数への連動を目指すものなので、値動きはほぼ同じだ。つまり、どれを買っても大差はない。また分配金利回りも、年3.4~3.7%の範囲内なので、全上場REITの平均値からすれば多少落ちるが、利回りベースで考えても悪い投資対象ではない。現に、今の金利情勢で3%超の利回りが期待できる商品は、ほとんどないと言っても良いだろう。

もうひとつの方法は、J-REITの個別銘柄投資だ。こちらは単一銘柄に投資するにしても、複数銘柄に分散投資するにしても、上場されている60銘柄から選ぶ必要がある。そこで問題になるのが、何を基準にして選べば良いのか、ということだ。

本稿では、分配金利回りを最優先して銘柄を選ぶという前提で考えてみたい。現在、上場されている60銘柄を、分配金利回りの高い順にランキングすると、最も高い「マリモ地方創成リート投資法人」のそれが6.15%をつけている。東証上場のETFは、上場全銘柄の平均値になるため、分配金利回りが3%台まで下がってしまうが、個別銘柄を選んで投資すれば、6%台の利回りが実現する。

ただ、分配金利回りが高ければ良いのか、という問題はある。分配金利回りを重視してJ-REITに投資する人は、出来るだけ長期に、安定した分配金を得たいと考えるだろう。そうだとすれば、高い分配金利回りが長期的に維持されるという財務健全性が必要になる。

そこで、次に注目したいのが格付けだ。現在、日銀は量的金融緩和を行うのにJ-REITやETFの買入を行っているが、J-REITを買い入れる際の基準は、「AA」相当の格付けを取得しているかどうかという点だ。

もちろん、格付けが高ければ絶対に安全かというと、決してそのようなことはない。高い格付けを取得していたのに、経済・金融環境の急変などによって財務状況が悪化し、デフォルトを起こしてしまうケースもある。なので、過度な信頼は禁物だが、それでも財務面の健全性を比較する際には、ひとつの基準になる。ちなみに最も分配金利回りの高い「マリモ地方創成リート投資法人」は、この原稿を書いている時点で格付けを取得していない。

もちろん、財務健全性があまりにも低いものは上場の認可そのものが降りないと思われるため、上場されている以上は、ある程度の基準をクリアしていると考えられるが、もし格付けを取得していない高利回り銘柄に投資するのであれば、多少、財務面のリスクを考慮に入れ、複数銘柄に分散投資するとか、投資する資金を多少抑えるとか、自分自身でリスクコントロールを行った方が良いだろう。

分配金利回りが高い上位20銘柄のうち、格付けを取得しているのは11銘柄で、上位になるほど格付けを取得していないJ-REITが多い。と同時に、格付けを取得している銘柄でも、日銀のお眼鏡に適う「AA」の格付けを取得しているのは、「イオンリート投資法人」のみだ。ちなみにイオンリート投資法人は、格付けがAAでありながら、分配金利回りは5.05%なので、安全性と収益性の両面を兼ね備えていると考えて良いだろう。

また、時価総額と出来高にも注目しておくべきだ。時価総額の低い銘柄は、マーケットでの流動性も低いと考えられる。流動性が低いと、いざ売却しようとしても、買い手が少なく、思った以上に安い値段でしか売れなくなるケースも考えられる。

ちなみに、現時点で上場されているJ-REITのなかで、最も時価総額が高いのは「日本ビルファンド投資法人」の8260億2000万円だ。これに比べると、表中のJ-REITの多くが、いかに小粒であるかが分かる。

時価総額と出来高の大きな高利回りJ-REITとしては、前出の「イオンリート投資法人」か、分配金利回りが5.96%と高い「インヴィンシブル投資法人」が挙げられる。ちなみにインヴィンシブル投資法人は、格付けもAを取得しているので、財務健全性については比較的安心しても良いだろう。 格付けが高く、かつ大株主であるスポンサー企業がメジャーなJ-REITは、全般的に分配金利回りが低めで推移している。

言うまでもなく買い手が多いからだ。前出の日銀にしても、あるいはJ-REITの大口投資家である地方の金融法人にしても、J-REITに投資する際は、やはり財務健全性に着目するため、どうしても、格付けの高いものに買いが集中する傾向がある。

逆に、日銀や金融法人のように、投資対象となるJ-REITに制約があるわけではないので、多少格付けが低くても、分配金利回りの高いものに投資できるのが、個人投資家のメリットでもある。なので、A程度の格付けを持ち、分配金利回りの高いJ-REITは、個人にとってなかなか魅力のある投資対象であり、昨年を通じてほぼ右肩下がりにマーケットが下げてきたからこそ、今、絶妙な投資タイミングを迎えていると考えて良さそうだ。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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