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経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」
公開日:2018年1月18日

戌笑うか?2018年の国内株式市場

いろいろなメディアなどで言われているので、もう食傷気味の方も多いかと思いますが、2018年は「戌笑う」年と言われています。1月がスタートしたばかりで気が早い話ではありますが、今年の年末にかけて株高となり、株式投資をしていた人たちは笑顔で年末を迎えられるのではないか、という期待感が高まっています。

1月4日の大発会で、日経平均株価は、大納会に比べて741円39銭の大幅高になりました。「戌笑う年に相応しいスタートとなった」というコメントも、市場関係者からは多く聞かれます。

果たして、2018年相場の行方はどうなるのでしょうか。

干支にはそれぞれその年の相場動向の傾向を示す格言があります。簡単に紹介しておきましょう。

子(繁栄)、丑(躓き)、寅(千里を走り)、卯(跳ねる)、辰巳(天井)、午(尻下がり)、未(辛抱)、申酉(騒ぐ)、戌(笑い)、亥(固まる)。

現政権が「アベノミクス」という経済政策を打ち出し、異次元の量的金融緩和で円安、株高の環境を整えたことで、大幅円安と株高によるアベノミクス相場が、2013年からスタートしました。この5年間の国内株式市場動向を整理すると、以下のようになります。

2013年は年間を通じて大幅に上昇。日経平均株価の上昇率は55.6%となり、主要国の中ではトップとなりました。
2014年(午年)は尻下がりではなく、年前半にかけてダラダラ下げる相場が続いた後、年末にかけて上昇機運に乗りました。
2015年(未年)は日経平均株価の2万円乗せが実現したものの、そこが天井で調整局面入り。
2016年(申年)はブレグジットや米大統領選挙で想定外の結果が出て、株価乱高下の大騒ぎ。
2017年は北朝鮮問題という地政学リスクが高まったものの、企業業績は絶好調で、秋口から年末にかけて株高が進みました。

このように見ると、単なる格言といえども、どことなく当たっているような気もしないではなく、先人の言うことはバカにできないと、何となく腹落ちする次第です。

さて、2018年の戌年はどうでしょうか。戦後、東証での取引がスタートして以降、戌年の日経平均株価がどうなったのかをグラフにしてみました。同期間中、戌年は今までで全6回。このうち2018年はまさに今であり、グラフの数字は1月15日時点における昨年末比で示してあります。

確定した数字で見ると、2006年までの全5回の戌年における日経平均株価の成績は「4勝1敗」になります。なるほど笑った年が多く、確率的に考えれば、今年も値上がりする方に賭けたくなるところでしょう。

とはいえ、前出の干支に関連した相場格言は、単なるアノマリーに過ぎず、確たる根拠は何もありません。金融機関のレポートによれば、「翌年の亥年は、春頃の統一地方選挙と夏頃の参院選挙が12年に1度重なる政治的に重要な年だけに、前年(戌年)から政策面でアクセルを踏む傾向があるから」などと説明されていますが、ややこじつけのように聞こえないこともありません。

では、過去の戌年で株価がプラスになった年の日本経済はどうだったのでしょうか。

1958年は高度経済成長のど真ん中だったので、日経平均株価が40%超も上昇したのは、当然といえば当然の結果です。

1970年は、当時、戦後最長と言われた「いざなぎ景気」が終わった年だったので、15%超のマイナスになったのも当然といえば当然でしょう。この頃には、奇跡とまで言われた日本の高度経済成長は終わりを告げ、安定成長期に入っていきます。

1982年は、日本が最後の光を放った80年代バブル前夜ですが、日経平均株価の上昇が小幅に留まったのは、世界経済不況の影響を受けたからです。その後、日本経済は1985年のプラザ合意、超低金利政策などを受け、金余り現象から不動産、株価が急騰するバブル経済へと突入していきます。

1994年はバブル経済が崩壊した中での株高ですが、その背景には、1992年から1994年まで毎年10兆円規模で打たれてきた総合経済対策があります。これによって多少、景気に底打ち感が出てきて、株価が押し上げられました。

そして、2006年は小泉郵政相場の最終局面です。実感は薄かったものの、日本経済はいざなぎ景気を超える戦後最長の景気拡大局面となり、それに応じて株価も、2007年のサブプライムショックまでは上昇トレンドを描いていきました。

このように過去の経緯をたどっていくと、確かに1994年と2006年の株価上昇は、政策効果による影響がありそうです。しかし、今の日本の財政事情を考えると、大規模な財政出動には期待できません。日銀の資産買取りによる量的金融緩和も、市場で買える資産が底を尽き始めているという物理的限界を呈してきました。

つまり、これから先は景気対策をはじめとする政策面の支援は期待できません。もちろん、高度経済成長のような高い成長率も、人口減少社会ですから望み薄でしょう。こうした状況の下、2018年の戌年は、大笑いというにはいささか厳しいのではないかと考えます。

業績予想についても、2018年3月期決算は大幅増収増益ですが、2019年3月期決算については、増益率が大幅にスローダウンしそうです。その点では、将来の成長性が高く、業績好調な個別銘柄物色が、今年の株式市場のテーマになりそうです。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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