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経済ジャーナリスト鈴木雅光の「奔放自在」
公開日:2017年10月20日

長期投資に向いているインデックスファンドはNYダウ連動型だ

インデックスファンドがブームだ。インデックスとは、日経平均株価やNYダウなど、市場全体の値動きの方向性を示す指標のことで、これに連動する運用成績を目指しているのがインデックスファンドになる。

このタイプの投資信託で運用するメリットは、コストが安いことだ。投資信託のコストは、購入時に販売金融機関に対して支払う「購入手数料」と、ファンドの保有期間中、一定率で信託財産から差し引かれる「信託報酬」があるが、インデックスファンドは購入手数料がゼロで、信託報酬率も他のタイプの投資信託に比べて格安に設定されているのが普通だ。そのため、出来るだけローコストで運用したいと考えている個人投資家の間で高い人気を得ている。

なぜローコストで運用したいのかというと、コストはリターンに大きな影響を与えるからだ。信託報酬率が年2%の投資信託で運用するのと、年1%の投資信託で運用するのとでは、リターンに年1%の差が生じるのと同じである。

そして、プロの運用担当者でも、リターンを年1%改善させるのは、実に大変な作業であることを考えると、運用担当者の銘柄選択、運用ノウハウがリターンを大きく左右するアクティブ運用の投資信託に年2%の信託報酬を払うくらいなら、年1%以下の信託報酬で運用できるインデックスファンドを購入した方が、より合理的という判断が出来る。

ただし、それは市場全体がきちんと右肩上がりかどうかによる。市場が右肩上がりというのは、その国の経済がしっかり成長していることを意味する。では、日本はどうなのかというと、この20年来、GDPはほぼ横ばいのままだ。日経平均株価は1989年12月の3万8915円をピークに、今もその高値を抜けることが出来ずにいる。しかも、これからの日本経済は、少子高齢化の影響で人口は減少傾向をたどっていく。人口が減れば、経済成長のエンジンは弱まらざるを得ない。

そう考えると、いくらインデックスファンドがローコストで合理的な選択肢だと言っても、日本株のインデックスファンドでは資産の成長は望み薄だ。同じインデックスファンドで運用するならば、長期的に見て成長が期待できるマーケットに投資するタイプを選ぶ必要がある。

そこで注目したいのが、米国の代表的な株価インデックスであるNYダウに連動するインデックスファンドだ。

投資に関心のある人で、NYダウを知らない人はいないだろう。近年ではNASDAQ銘柄も含まれているが、おもにニューヨーク証券取引所に上場されている銘柄から、優良企業を30銘柄ピックアップし、それらの株価の合計を、「除数」で割って求められる平均株価である。1896年から算出されているが、当時の構成銘柄数は12銘柄だった。それが1916年に20銘柄に増え、1928年10月1日からは、現在と同じ30銘柄で構成されている。

NYダウに連動するインデックスファンドが長期投資に適していると思える理由は、2つある。

ひとつは、現在に至るまで過去最高値を更新し続けていること。これは、NYダウの構成銘柄が現在と同じ30銘柄になった1928年を起点に考えれば、米国経済が90年にわたって成長し続けていることの証といっても良いだろう。

そしてもうひとつ。NYダウが高値を更新し続けてきた理由がある。NYダウが長期投資に向いていると思われる一番の理由が、これだ。何かというと、誤解を恐れずに言うならば、NYダウは極めて優れたアクティブ・ポートフォリオである、ということだ。

NYダウは、米国の株式市場の動向を示す株価インデックスである。そして、NYダウに連動した運用成績の実現を目指す投資信託は、紛れもなくインデックスファンドである。

しかし、NYダウは30銘柄で構成された株価インデックスであるのがポイントだ。ニューヨーク証券取引所とナスダック市場の上場銘柄数は、2017年5月時点で、前者が2304社、後者が2900社の合計5204社にものぼる。そして、以下の選定基準により、NYダウを構成する30銘柄が選ばれている。

1. 米国企業でS&P500の構成銘柄であること。
2. 値がさ株や極端な低位株を排除。
3. 経営が堅実で成長性があり、米国経済にとって重要な企業。

この選定基準を見ると、1と2はほぼ機械的にスクリーニングできるが、3については、選ぶ側の主観によって大きく左右される。この点において、NYダウはアクティブ・ポートフォリオの一種であると考えられる。5204社から30社を選定する選択眼が確かだからこそ、90年にも亘り、NYダウは上昇トレンドを続けて来られたのではないだろうか。

実際、NYダウを構成する30銘柄は、時代の移り変わりに伴い、継続的に入れ替えられてきた。1928年10月1日時点の30銘柄と、2017年1月1日時点の30銘柄を比較すると、この間、構成銘柄に居続けているのは、たったの2銘柄である。それは、GEとエクソン・モービルだ。なおエクソン・モービルは途中で社名変更されており、1928年10月1日時点の社名は「スタンダードオイル・オブ・ニュージャージー」である。そのくらいNYダウの構成銘柄は、新陳代謝が激しいのだ。

NYダウの銘柄入換は、指数委員会のメンバーが年2回の会合で検討し、必要に応じて実施される。つまりNYダウの構成銘柄は、各時代の米国経済において、最も注目されている有望企業であると考えられる。ちなみに現在の構成銘柄を見ると、アップル、マイクロソフト、ウォルト・ディズニー、ゴールドマンサックス・グループ、など、今の米国を代表する企業がずらりと並ぶ。こうした銘柄を選んでいる指数委員会メンバーは、NYダウというアクティブ・ポートフォリオを運用している、非常に優秀なファンドマネジャーであると考えられる。

日本国内からNYダウに投資する方法としては、東京証券取引所に上場されているETFを用いれば良い。野村アセットマネジメントが組成している「NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信」であれば、日々の出来高も十分なので、安心して投資できるだろう。



金融ジャーナリスト
鈴木雅光(すずき・まさみつ)

JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。

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