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酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」 第126回
  
公開日:2018年2月20日

国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。

このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。

たまには為替の話でも

ただいま平昌オリンピックの真っ盛り。フィギュアスケートの羽生選手と宇野選手の金・銀メダルをダブル受賞、そしてスピード・スケート女子500メートルで小平選手の金メダル獲得と日本中が湧くが、実はその間外為市場では大きく円高が進んでいる。

先週金曜日には昨年の107円~108円のサポートライン(下値の支持ライン)を一気に突き破り、いずれ近いうちにトランプ大統領が誕生した頃の100円レベルまでのドル安&円高があるのではないかとの議論が起き始めた。

思い起こすと昨年末は『2018年はアメリカでは利上げが行われ、我が国では金融緩和政策が継続されるので米ドルと円との金利差が開き、円安が進んで120円~125円程度までドル高&円安が進む。』との議論がまかり通っていた。ところがどっこい、ドル・円は年初の113.38を高値として徐々に値を下げ先週の金曜日には1年3ヶ月ぶりの安値である105.54を示現した。

ご存知の様に相場と言う物は買い手が多いと上がり、逆に売り手が多いと下がる。年初の高値113.38から安値105.54まで下げたと言う事は当然売り手が多かった事を意味する。

ところが今回、誰がこんなに大量のドルを売っているのか皆目見当が付かないのである。

通常ドルの売り手としては輸出業者(海外に輸出した代金として受け取った外貨を円に換える。つまり受け取った外貨が米ドルであればドル売りとなる。)、そしてドルの買い手としては輸入業者(海外から輸入する為に支払う外貨を銀行から手当てする。支払う外貨が米ドルであればドル買いとなる。)や機関投資家(外貨建て債権を購入する為に円を売って外貨を購入する。米債を購入するのであればドル買いとなる。)が挙げられるが、昨今は個人の投資家も積極的に売買に参加している。

またこれ等の所謂実需の売り手や買い手の他に投機の目的(将来値が上がると思えば思惑で買って値上がり後に売って差益を取り、逆に下がると思えば思惑で売って値下がり後に買い戻して差益を取る。)で売買をするヘッジファンドと呼ばれる集団やシカゴ・IMMが存在する。

そしてこれらのキープレーヤー(主要な市場参加者)の動きを見ると、輸出業者は110円を下切ってからは追っ掛けて売ってきておらず、輸入業者や機関投資家は相場が下がる局面で既に充分買っていて様子見の姿勢を取っている。

今や東京外為市場の出来高の7~8割を占めると言われる我が国の個人投資家の動向はどうか?毎日曜日に日経ヴェリタスが公表する日経Quick社が集計する大手外為取扱業者8社の合計売買残高を見ると43億ドルの買い持ちとなっている。(8社で我が国個人投資家の出来高の60~70%のシェアーを持っていると推測される。)言い換えれば我が国の個人投資家はこのドルの下げ局面でドルを売るどころか逆に買っているのである。買っている理由は当然彼らは将来的にドルは上がると思っているからである。

では投機筋の代表とも言えるシカゴ・IMMのポジション状況はどうか?

実は此方もかなり長い間円の売り持ち(ドルの買い持ち)ポジションを保持しており、当然彼らも将来的にドルは上がると思っているのである。

と言う事はぐるりと回りを見回せば多くのプレーヤーが『将来的にドルは上がる。』と思ってドルの買い持ちを保持していると言う事になる。

ん?

でもドル・円相場は下がっているではないか?これはおかしいなあ。相場が下がると言う事は売り手が多い筈なのにそれがはっきりしない。これは気持ち悪い。

全くの個人的な推測であるが中国が外貨準備のアロケーション(構成通貨の組み換え)でドルからユーロや円に換えているのではなかろうか?中国の外貨準備高は世界一で約3兆ドルと言われており、その5%をリアロケート(アロケートし直す。)するだけで1500億ドル(何と約16兆円!)の巨額となる。

もし中国がアロケーションの一環で米債を売り、手に入れたドルを売ってユーロや円を買っているとすると、米債売り=価格の下落=米長期債券利回りの上昇(10年債の利回りは年初の2.465%から直近は2.873%に上昇している。)やユーロの上昇(年初の1.2から最近は1.25まで約4.2%上昇している。)や円の上昇(ドルの下落であり、年初の113円台から105円台まで約7%上昇している。)の説明が付くのである。

中国のオペレーションは秘密だらけであり、これはあくまでも筆者の憶測である。

さてこれからの相場展開であるが、もし我が国の個人投資家やシカゴ・IMMが損切り(保有する買い持ちポジションの評価損に耐え切れなくなって損を覚悟で売り払う。)に走ればドル・円の下げは未だ加速するであろう。『105円は切りが良くて買いどころだろう。』と買い急ぐと思わぬ高い買い物に成る危険性があろうか?

とは言え、相場は相場。神様しか相場の行方は分からない。(いや、神様でも分からないかも知れないな。)

気を付けて参りましょう!



酒匂隆雄氏プロフィール

酒匂隆雄  さこう・たかお

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表

1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

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