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香港の株式・不動産投資情報
公開日:2019年03月28日

みなさん、こんにちは。楢橋里彩です。
国際金融センターである香港に来られる方のなかには株の購入など投資目的の方も多いでしょう。市民の3人に1人が株に投資しているという香港では日々活発な株取引が行われているほか、近年は中国本土の株式市場との相互乗り入れが進み、海外からでは投資しにくい本土のA株にも香港を通じて投資することが可能となりました。

今回は知ってトクする香港での株や不動産などの投資についてご紹介します。

※1香港ドル=14円計算。2019年3月時点の情報です。

株式投資事情

世界第3位の株式市場

香港の株式市場は、東京、上海に次ぐアジア3位の市場。香港証券取引所(HKEX)の株式市場は1部市場に相当する「主板(メーンボード)」と新興株市場の「創業板(GEM)」に分かれています。GEMのほうが上場基準は緩やかで、中小型の銘柄が多いのが特徴です。

ハンセン指数は、ハンセン銀行の子会社であるハンセン指数サービス社がメーンボードに上場する50銘柄の日々の株価の動きを加重平均して算出したもの。50銘柄にはHSBCホールディングスや長和実業、スワイヤといった香港を代表する大手企業や、中国工商銀行、中国石油天然気(ペトロチャイナ)、中国移動(チャイナモバイル)などの中国本土企業株(H株)や本土系企業株(レッドチップ)も含まれています。

ハンセン指数構成銘柄の時価総額は市場全体の約7割に上るため、その値動きは市況をほぼ忠実に反映しているといわれています。

世界に開かれているマーケット

中国本土の株式市場は外国人の取引を厳しく制限している一方で、香港の株式市場は世界に開かれています。米国や欧州など外国人投資家の割合も高く、そのため香港の株式市況は海外の市況と連動しやすい傾向があります。

香港の株式市況は本土の経済や市況の動向にも影響を受けます。これは香港に上場するH株、レッドチップの割合が高いことが要因です。H株、レッドチップは香港に上場していても、おもに本土でビジネスを行っているので、当然ながらその株価は中国の景気や政策の影響を大きく受けました。

香港市民の株式投資好きはよく知られていますが、HKEXが発表している「個人投資家調査」によれば、香港の成人人口の35%が株式投資を行っているそうです。じつに3人に1人以上が株式投資を行っていることになります。 香港市民の投資スタイルは短期でサヤを抜く回転売買が多く、同じ株を何年も何十年もじっくり持ち続けるという長期投資スタイルはあまり一般的ではありません。

また香港では、大型企業や話題の企業などが上場に先駆けて発行するIPO(新規公開)株に申し込みが殺到します。しかし、せっかく抽選で手に入れた株を上場初日に手放す人が多く、初日の株価が公募価格よりも大きく値上がりすることを狙って売り逃げ、その後は株価が低迷する銘柄も多いです。

香港と中国本土の証券市場の相互乗り入れ相次ぐ

近年推進された香港と中国本土の証券市場の相互乗り入れは、上海証券取引所と深圳証券取引所が窓口となって中国本土住民が香港株を直接取引でき、域外投資家は香港証券取引所(HKEX)を通じてA株に投資できるというものです。

本土から香港への投資では、個人投資家の資格は証券取引口座の残高が50万元以上。投資上限は2500億元(約3125億ドル)、1日の上限は105億元(約131億ドル)。投資範囲はハンセン総合大型株指数とハンセン総合中型株指数の構成銘柄、本土・香港同時上場のH株となります。

香港から本土への投資では個人投資家の資格制限はなく、投資上限は3000億元(約3750億ドル)、1日の上限は130億元(約163億ドル)、上証180指数と上証380指数の銘柄、上海・香港同時上場のA株となります。香港市場では266銘柄が対象となり、時価総額の約95%を占めます。

上海・科創板の開設は香港にとって脅威か

   

上海証券取引所は3月18日、科創板の上場申請受け付けを正式に開始しました。科創板は科学技術イノベーション企業専門の上場市場となります。 証券日報の報道によると、すでに11社の企業が科創板に上場を申請すると公告しました。

また中國證券報の報道では、上海証券取引所は科創板での株式公開に関する自律委員会を設置し、リスク防止や科創板市場の安定的な運営を図るもようです。ガイドラインによると、上場の条件は発行後の株式総額が3000万元以上、公開株は全体の25%以上、株式総額が4億元以上なら公開株は10%以上などとなっています。

国泰君安研究所のアナリストによると、現行のA株市場との重要な違いとして、利益の出ていない企業、異なる投票権で構成されている企業、レッドチップ企業の上場を認めているなどの点を挙げました。

科創板の開設は香港証券取引所(HKEX)にとって脅威になるとの懸念が持ち上がっていますが、HKEXの李小加・行政総裁は3月初め、国際投資者に上海証券取引所との相互乗り入れを通じた科創板での取引を認めることを提唱しました。

李行政総裁は全国政協の会議に出席した際に香港メディアの取材を受け、上海証券取引所に設置される科創板にHKEXから上海証券取引所への相互乗り入れを通じて投資することは現行の制度で可能との見方を示しています。期待の高まる科創板に香港からも投資ができそうです。

※A株・B株
A株・・・中国国内で上場され、中国A株市場で取引されている株式のこと。(正式名称:人民元普通株券)
B株・・・中国国内で上場され、中国B株市場で取引されている株式のこと。B株取引は、上海株は米ドル建て、深セン株は香港ドル建てで、中国の国外投資家向けの市場となっていたが、2001年2月より国内投資家にも開放。

人民元投資の魅力

株式投資のほかに香港を通じた魅力ある投資として人民元があります。香港と中国本土との緊密な関係は外為市場においても有利に働いており、いわゆる「オフショア人民元市場」としての強みがあります。

オフショア市場とは「国外市場」のこと。中国の人民元は国外への持ち出しはもちろんのこと、国外での人民元建ての資金調達や預金、運用なども厳しく制限されています。しかし、香港では中国人民銀行(中央銀行)などの認可の下で、制限付きながら人民元建ての金融サービスの提供や資金運用などが行われています。これが「人民元オフショア市場」であり、人民元建ての預金サービスは2004年から開始しています。

中国が香港での人民元預金を認めた理由のひとつは、前年から始まった中国本土市民による香港個人旅行の解禁。本土観光客が人民元で買い物や食事の料金を支払うことによって香港に流通する人民元の量は大幅に増加しました。

さらに2009年7月、中国企業による人民元建て貿易決済がスタートすると、香港に流入する人民元の量はますます増加しました。当初、本土5都市(上海・広州・深圳・珠海・東莞)の一部の企業だけに限定されていた人民元建て貿易決済は、2010年に対象地域が20省に広がり、これを機に人民元の流入量は飛躍的に増大しました。

年2~3パーセントの利回りが期待できる人民元建て債券

中国は香港における人民元預金サービスは認めたものの、銀行が預かった資金を中国本土に還流させることは、為替相場の混乱を避けるために依然厳しく制限しています。本土で運用できない以上、香港で運用できる人民建て金融商品の設定を認めざるを得ないことになります。こうして2007年6月、中国人民銀行による認可の下で、本土の銀行による香港での人民元建て債券の発行が解禁され、2010年6月には香港企業や外国企業による香港での人民元建て債発行も認められています。

香港の人民元建て預金の金利は香港上海銀行(HSBC)の1年定期(50万元未満)で0・55%。本土の金利(中国銀行で3.5%)と比べると著しく低いです。香港の銀行は人民元建て預金の運用手段が限られているので、金利を抑えざるを得えません。そのため、年2〜3%の利回りが期待できる人民元建て債券は香港の個人投資家に人気があります。 

香港での人民元預金金利、最高で6%

今年に入ってから人民元の為替相場は上昇し、預金金利は低下する傾向にありますが、香港各行の預金金利を比較したところ最高で6%に上ることが分かりました。金利6%はシティバンクで、1カ月の定期預金で20万ドルからの取り扱いとなります。また2カ月定期では4.5%で、20万ドルから。両プランとも今月30日で締め切られます。

続いて高金利を打ち出しているのは中国銀行(香港)と恒生銀行で、ともに7日間の定期預金で金利5.5%。恒生銀行は2万ドルからで、取り扱いは29日まで。中国銀行は5万ドルからで、ほかに1カ月定期で3.8%もあります。さらに富邦銀行、集友銀行を含め5行が3%以上の金利を設定しています。

香港にいながらにして中国本土の口座開設


人民元預金は中国本土の方が金利が有利な場合もあり、本土の銀行での口座開設に関心ある人も多いことでしょう。 先に発表された粤港澳大湾区の発展計画要綱に基づく便利化措置により、香港市民が香港にいながらにして本土の銀行口座を開設することが可能となりました。中国銀行(香港)は3月20日、本土に赴かなくても中国銀行の香港支店で口座が開設できるようになったと発表しました。本土版の微信支付(ウイーチャットペイ)などの各種おサイフケータイとの紐付けも可能です。

ただし中国銀行(香港)個人金融及財富管理部總經理の孫大威氏は、香港市民が開設した本土の口座では本土での資産運用活動はできないと警告。新たな政策が出てくれば可能になるとの見通しを示しました。香港で開設できる口座は1人につきII類またはIII類1つで、金額に制限があります。II類は1日の引き出し上限がATMで1000元,窓口で1万元、通年ではそれぞれ累計で20万元となります。

他にも、恒生銀行は香港で恒生中國の口座を開設でき、本土版の微信支付(ウイーチャットペイ)と紐付けできます。HSBC(香港上海銀行)はすでに数年前から香港にいながらにして本土や外国の支店の口座開設サービスを行っています。現在のところ本土の口座と本土版の支付寶(アリペイ)との紐付けが可能です。中國建設銀行(亞洲)も香港で本土の口座開設と各種おサイフケータイとの紐付けが可能になりました。そのほか大新銀行、東亞銀行が本土の口座を開設できますが、おサイフケータイとの紐付けが可能かは不明です。

不動産投資事情

長期投資の観点から香港の不動産投資に関心を持つ方も多いかもしれませんが、香港不動産市場は調整期にあるため、現在は投資するのには適さないかもしれません。

香港の住宅価格は10〜25%下落

中信里昂証券(CLSA)は先ごろ、研究リポートで香港の住宅価格は15%下落するとの予想を発表しました。リポートでは林鄭月娥・行政長官が2018年6月に住宅供給を拡大する措置を打ち出した後、中古物件では価格を引き下げた取引が増加していることや、今後の金利上昇、経済減速、人民元の下落などを挙げて住宅相場は下落に転じるとみています。

香港の不動産市場では2005年の住宅ローン金利上昇、08年の金融危機、15年の人民元急落と過去15年に3度の調整がありましたが、今回はこの3つの要因が同時に出現し、住宅市場は過去15年で最悪の環境になると指摘。現在の住宅価格はすでに市民に負担できないレベルとなっているため、今後15%下落して年初の水準に戻るとの見通しを示しており、また不動産コンサルタントのジョーンズラングラサールは、2019年末までに住宅価格が25パーセントと大幅に下落すると発表しました。

過去約10年間にわたり上昇基調が続いていた不動産価格が調整に入り、推測される下落率は2008年の金融危機、2003年のSARSによる打撃にも匹敵します。

不動産コンサルタントのナイトフランクが発表したリポートでは、香港の住宅価格伸び率が顕著に鈍化したことが分かりました。2018年の香港の住宅価格伸び率はわずか1.8%で、世界でのランキングは前年の17位から47位に大きく後退しました。今年の香港の住宅価格伸び率は英国のEU離脱など外部要素が鍵を握りますが、約10%の下落と予測。ただし超高級住宅の価格は下落幅が比較的小さいとみています。

政府は不動産抑制策を緩和しない

政府の住宅価格指数は昨年7月をピークに下落が続いていることや、大手不動産代理の中原地産の中古価格指数にも下落がみられており、不動産市場の過熱抑制策の緩和を求める声が高まっています。

しかし香港金融管理局の陳德霖・総裁は不動産市場には調整がみられているものの、下落サイクルに入ったかどうかを判断するにはまだ観察が必要と述べました。 財經事務及庫務局の劉怡翔・局長も、政府は今のところ不動産市場の過熱抑制策を緩和する計画がないことを明らかにしました。

劉局長は抑制策を緩和するには住宅価格の動向、供給量、外部環境、金利などを考慮しなくてはならないと説明。さらに先ごろも不動産市場に小春日和が見られたことを指摘し、「住宅価格が下落すれば政府は抑制策を緩和するとの印象を与えてはならない」と述べています。このため当面は住宅価格が上昇基調に転じることは期待できないとみられます。

英シンクタンクのEIUはこのほど世界の都市の生活費ランキングを発表。世界133都市でパンの価格など一般的な生活費の変動についてニューヨークを基準として比較した結果、世界で最も生活費が高いのは香港、シンガポール、パリということが分かりました。この調査が始まって以来、3都市が首位で並ぶのは初めてとのことです。

さて、次回は様々なテーマで、香港と日本のアレコレを比較してみる「比べてみたら分かる!シリーズ第一弾」をお届けします。今回取り上げたように、不動産、物価など日本と香港はどれだけ違うのか?!様々なテーマを元に徹底検証します。

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