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香港金融事情特集
公開日:2019年01月30日

みなさん、こんにちは。楢橋里彩です。

今回は「香港の金融事情」について特集します。かつては多くの日本人が銀行口座開設ツアーを組んで香港に来ていた時代がありましたが、近年では非住民の口座開設は厳しくなりました。しかし依然として多くの方が香港での口座開設を希望されています。今回の香港彩り情報は「香港の金融事情」とともに、「香港の経済最新情報」をご紹介します。

200行もの銀行がひしめきあう、香港金融市場の魅力

人口およそ720万人、土地面積1104平方キロメートルという小さなエリアのなかで、200行近い銀行がある香港。主要銀行は以下の3行で、ともに香港ドル紙幣を発行しています。

香港上海銀行(HSBC)

■ 香港上海銀行(HSBC)

香港上海銀行(香港上海滙豐銀行有限公司、略称HSBC)。イギリスの金融グループHSBCホールディングス傘下の銀行、香港に本店。筆頭株主はスワイヤー家。

公式サイト(日本語)

中国銀行(香港)

■ 中国銀行(香港)

中国銀行 (香港)(中國銀行(香港)有限公司、 Bank of China (Hong Kong) Limited)は、総資産および預金量で香港第2の商業銀行。中国銀行の香港法人だった12の系列子会社と2001年に合併し、現在の名称に。

公式サイト(英語)

渣打銀行(スタンダード・チャータード)銀行

■ 渣打銀行(スタンダード・チャータード)銀行

スタンダードチャータード銀行(渣打銀行、Standard Chartered Bank)は、ロンドンに本拠を置き、世界70ヵ国に事業ネットワークを展開する世界的な銀行金融グループ。筆頭株主はシンガポール政府系ファンドのテマセク・ホールディングス。

公式サイト(英語)

香港は、個人所得の最大課税率が17%と低税率なタックスヘイブン(租税回避地)であるため、金融商品やデリバティブ商品が多く販売されている地域。さらに他のタックスヘイブン地域を利用した金融商品なども多く、主にHSCB、スタンダード・チャータード銀行、中国銀行(香港)、中国工商業銀行(アジア)などで販売されています。

また、法人税の最大課税率は16.5%と低く、株式の配当金などのキャピタルゲインは非課税。香港域外での収入を香港の銀行口座で預金するのも、非課税です。

一方で租税回避地として資産を隠すために設立しているペーパーカンパニーも多く存在する場所でもあります。こうした多くの銀行がひしめき合う香港金融市場で、一般に売られているファンド数は2600本を超えます。プロ向けのヘッジファンド運用会社は大小合わせれば500社を超えます。

香港市場の特色としては、中国本土のGDPがおよそ1200兆円であるなか、アジアのゲートウェーである香港の位置づけが今後さらに重要になっているということ。また金融インフラがしっかり整ったなかで自由に経済活動が行われているということです。

かつては日本から香港へツアーなどで銀行口座開設に訪れる人も多かったのですが、銀行の規制によって非居住者の口座開設が難しくなったため、口座開設に訪れる日本人も減りました。とはいえ、今もなお香港の銀行で口座を開設、資産運用をしたいと考えている方も少なくありません。

日本の銀行と香港の銀行の主な違い

香港の銀行では口座を開設するのに最低預金額が決まっていたり、最低預金額を下回ると口座維持費を徴収されたしますので要注意です。夫婦や経営パートナーなどで共同名義の口座を開設することも可能です。

HSBC香港の個人口座(インテグレーテッドアカウント)の最低預金額は5,000HKD、法人口座(ビジネスダイレクト)の最低預金額は50,000HKDとなっています。3ヶ月の平均預金額がこれを下回ると、個人口座は毎月60HKD、法人口座は毎月100HKDの口座維持手数料が口座から引き落とされます。日本のマイナンバー制度もあり、さらに厳しくなっていくでしょう。

口座開設のためには必要なこと

書類だけではなく、銀行により、それぞれの銀行と取引をしているクライアントからの紹介が必要な場合もあります。また口座開設のお手伝いをする専門のエージェントにも依頼するという形もあります。こうした場合、手数料を支払いますので、十分に気を付けて進めてください。

また、日本人向けに窓口にて日本語対応の出来るスタッフを設ける銀行もあります。言語が不安であれば確認すると良いでしょう。またインターネットで口座開設の申し込みをダウンロードすることができます。(各銀行の申込書を確認してください)

■ 口座開設する為に必要な書類(銀行によって異なりますので要確認)
・居留証(海外に住んでいる証明)
・会社の在籍証明
・パスポートのコピー
・国際運転免許証のコピー
・現金(最初に預けるお金)
・英文の銀行残高証明

申込書にあたっては、内容を概ね理解していると口座開設はしやすいです。銀行ではスタッフが個別に面談します。その場合、口座開設のコミュニケーション問題、英語、または中国語ができることが条件となります。

日本の銀行で外国口座開設も可能

海外に口座開設 | 三菱UFJ銀行

日本の銀行においても、外国口座開設サービスを行うような銀行も増えてきました。海外の口座に送金の場合、こうしたサービスを受けることで海外送金の手続きなどもしてくれるサービスです(手数料あり)。このようなサービスは、日本の銀行では今後多くなる動きがあります。海外に支店や現地法人、系列銀行があるところではすでに行っているサービスですので、関心のある方は問い合わせしてみてください。

近年、非居住者の口座開設が厳しくなっている理由

2006年頃から、マネーロンダリング(資金洗浄)対策や、テロリストへの資金供与の根絶、租税回避の対策として本格的に対応が取られているため、お金の管理に対して銀行もかなり慎重に扱うようになってきており、非居住者の口座開設も厳しくなってきています。なかでも米国、日本は租税回避額ではツートップでもあり、先進国の税収難からも加速している傾向が伺えます。

2013年4月から非居住者の個人口座が難しくなり、2014年にはHSBCで外国人口座への制限処置がとられるようにもなりました。さらに15年3月頃より法人口座の開設はさらに厳しくなっています。海外口座利用の目的が不法に得た大金の資金洗浄やテロ資金供与であることが多いことから監視も厳しくなっています。今では、口座開設の申請には、従来より多い審査書類が必要となっています。

新規口座開設をするために新たな解決策

HSBCは、続発するマネーロンダリング(資金洗浄)問題への対抗策として、中小企業の新規口座開設を厳格化していますが、香港内の各業界からの批判を受け、解決策を打ち出しました。

(1)必要書類の明示
(2)Eメールによる書類の補完請求
(3)銀行側の担当者の固定化
(4)審査日数の短縮
(5)関連職員の増強
(6)問題発生時に問題解決のためのグループを即時組織する
以上6点。

「口座が開けない法人は書類に不備がある場合が4割で、口座開設の目的があやふやなのが3割とのこと。インタビュー時にしっかりと意思の疎通さえできれば解決する問題」と梁兆基・亜太区顧問は話します。

新規口座開設をするために新たな解決策

「AEOI(自動的情報交換)」が、2019年1月から発効されました。これは米国の税法「外国口座税務コンプライアンス法」(FATCA)による影響を受けて提唱された課税逃れの防止策で、情報公開を承諾している国・地域は100を越えているといわれています。

銀行やプライベートバンクなどの金融機関は、顧客の個人・法人にかかわらず、口座情報や居留条件などの私的情報を、税務局に報告する義務が生じます。香港の対応は概ね資産が100万米ドルを超える口座が対象となります。なお、口座情報の提出を拒んだり、虚偽の報告を行った場合、口座は凍結され、罰金や禁固刑などが科せられます。

粤港澳大湾区、香港市民の口座開設が容易に

現在推進中の「粤港澳大湾区の発展計画」に金融サービスに関する措置が盛り込まれ、香港市民が大湾区で銀行口座を開設する便宜が図られる見込みです。大湾区で試行される措置は、香港市民が香港の住所証明で地元銀行の口座開設ができることと、香港市民が香港で地元銀行の口座開設ができることの2つ。

中国本土ではスマートフォンによる電子決済が普及しているものの、香港で使用しているスマホ決済システムは越境使用できないことが問題となっています。これに対し、一部の銀行と電子決済システムの運営業者が本土で使用できる越境決済システムを研究開発していることを明らかにしました。

仮想銀行参入のウィーラボ、狙うのは若年層

話題となっている仮想銀行(バーチャルバンク)ですが、今年1月から参入する金融科学技術会社「ウィーラボ」。同社の龍沛智・行政総裁はその戦略について「親会社である消費者金融『ウィーレンド』の顧客は20~40歳が7割を占めるという特性から、仮想銀行の顧客も同世代の20~35歳の、スマホを扱いなれている若年層にターゲットを絞っているとのこと。

将来的には、中小企業も取り込んでいく方針」と語っています。業務範囲については「少額融資に限らず、貯蓄や金融商品など銀行の基本的な業務はカバーしたい。住宅ローンについても検討中」と抱負を述べました。

信銀国際、オンライン口座開設開始

inMotion 動感銀行 - 中信銀行(國際)

中信銀行(国際)がモバイル向け新サービスを開始しました。サービスの名称は「イン・モーション」。オンラインで口座が開設できるというのが最大の特徴で、香港身分証(ID)保持者なら最短で15分、実店舗まで出向くことなく銀行口座が持てるというものです。口座開設に必要なのは香港IDとメールアドレスと電話番号のみで、住所証明も不要になります。

当初は香港市民限定となりますが、同行の幹部は「年内には利用者を中国本土ID保持者にまで広げたい」と抱負を述べています。同サービスは「バーチャル銀行と比較しても遜色のないサービス」をうたっており、通常の銀行業務である定期預金、外貨両替などにも対応しているが、将来的には株式やファンドの購入も可能になるとのこと。資金移動は当面は香港内の金融機関に限られ、香港域外への送金などは不可となります。

口座開設手続きをする上で、一番不安なのは語学力。どのくらいのレベルだと大丈夫なのか、と聞かれることがありますが、やはり「日常会話程度の英語(中国語)力」があれば問題ないと思います。

開設時には、以前と異なり、直接担当者との会話が必要になります。住所を英文で書き、口座のグレード、預金額を正確にを伝えられたら大丈夫です。

さて、次回は好評につき第二弾「香港トランジット3時間編」をお届けします。香港経由でちょっとした移動時間はあるけど、外に出たくない、空港で過ごしたい、という方も少なくないはず。次回は香港国際空港最新情報とともにご紹介します!

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