若林栄四 ニューヨークからの便り

若林栄四(わかばやし・えいし)

1966年東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍する傍ら、日本では株式会社ワカヤバシ エフエックス アソシエイツ(本邦法人)の代表取締役を務める。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
・富の不均衡バブル
・etc

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マーケットを左右する米国長期金利のトレンド

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FRBが量的緩和(QE)で買い上げた連邦債と住宅担保証券(MBS)を少しずつ減額していくことを考えており、2017年後半からそれを実施したい意向であることを、FOMCの議事録で明らかにした。

リーマンショック以前FRBのバランスシートは8,000億ドル程度であったが、数次のQEで3兆7千億ドルほど債券を買い上げた。

短期金利は既に3度にわたって引き上げたが、長期金利に影響を与える、この債券持ち高を減少させることはまだやっていない。

現在でも満期が来た債券については同額買い上げている。それを満期到来時、再投資しないことにより膨らんだバランスシートを徐々に減少させようというわけだ。

FOMCの議事録でこれを見たマーケットの反応は区々である。

これは2013年にバーナンキが発表したQEのテーパリング(買い入れ額を徐々に減少する計画)に匹敵するか、それ以上のインパクトを市場に与えてもおかしくない。

テーパリング発表の2013年5月から9月までの4ヶ月間で長期金利は約1%上昇、10年物は3%を付けるほどの金利急騰ぶりであった(2012年7月は1.38%であった)。すなわち1年2ヶ月で1.6%の金利上昇となった。テーパリング・タントゥラム(癇癪)と呼ばれている。

今回はまだその影響がはっきりしないが、長期金利に与える影響は今のところほとんどない。2.33%の金利が一時的に2.38%辺りまで上昇したが、4月6日現在では2.34%とほぼ発表以前と同じ水準である。

これは何を意味するのか。本来なら急騰してもおかしくない長期金利がほぼ不変であり、12月15日に付けた2.639%の高値に比べると2度の短期金利上げと、FRB による債券不買のニュースを見ても金利が12月15日より0.3%も低いというのは不可解である。

あえて言えることは、金利はもう上がらない時間帯に入ったということしか考えられないだろう。

毎月の米国雇用統計で強い数字が出ても、FRBが金利を上げても、何をしても金利が上がらないというのは金利上げトレンドが終わったということでしか説明できないだろう。

少なくともここ数ヶ月はどうもその金利下げトレンドの中にいることは確かだろう。

そうこうしているうちに、ファンダメンタルズで金利下げを補強するニュースが出たりするものである。

今年のマーケットのすべてをコントロールする米国長期金利の動きに要注目である。

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