若林栄四 ニューヨークからの便り

若林栄四(わかばやし・えいし)

1966年東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍する傍ら、日本では株式会社ワカヤバシ エフエックス アソシエイツ(本邦法人)の代表取締役を務める。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
・富の不均衡バブル
・etc

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トランプラリー現象は始まりなのか終わりなのか

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 トランプラリーに入って約1カ月が経過した。ドル円はトランプ当選後の101円台から12月12日には116円台まで1カ月で15円の円安という記録的なスピードでの相場である。

 日経225は16100円台から19200円台とこれも3100円を1カ月で走るという相場である。

 これを見ているマーケットの人間はいろんな理屈を考えてこの動きを正当化しようとする。正当化したうえに、その理屈でいけばこの相場がさらに継続していくと考えるのである。

 つまりトランプラリーは新しい相場の初めであると考える人たちが一方にいる。

 しかし、相場の終わりはスピードアップして終わると考える人もいる。

 その場合トランプ現象は、相場の最後を飾るイヴェントとして記憶されることになる。

 一体どちらなのだろう、そのどちらでもないという人もいるかもしれない。

 しかしトランプと言う人間の登場があまりにも劇的なので、これは初めか終わりかのどちらかと考えるのが正しいだろう。

 ポピュリズム(大衆迎合主義)の流れは新しい動きであることは確かだろう。政治が新しい局面に入ることと、マーケットが新しい局面に入ることには直接の関係はない。

 そもそもポピュリズムには、決まったセットの経済政策が存在するわけではなく、支持者を喜ばせるための場当たり的な行動に走りがちである。

 トランプによるメキシコへの米企業の工場移転を妨害する措置などはその典型である。

 マクロ経済の流れと関係のないところで、矮小な政策を演じて得々としているところは、まさに場当たりそのものである。

 今世紀に入り米国の製造業雇用者数は1700万人から1200万人に500万人減少している。

 しかし同じ期間で製造業生産指数は70から130に倍増している。アジアやメキシコに矛先を向けるのは間違っている。

 製造業の要求する労働力は低学歴の労働力ではなく、高学歴の労働力である。

 IT 技術のアプリケ―ションが、経済のあらゆる局面に広がりつつある現状を無視して、無理やり工場移転阻止をしても、マクロ的にはほとんど意味がないだろう。

 依然として低学歴労働者の苦難は続く、そして米国経済のデフレ傾向は継続するものと思われる。

 ポピュリズムは政治的に見れば新しい動きだが、経済的にはこれといった処方箋がなく、マーケット的に見れば新しい動きではなく、このトランプラリーは、相場の最後を飾るイヴェントと考えるのが正しいように見える。

 問題は何せ勢いがあるので、その最後の動きがどこまで行くか分からないところである。

 ITバブルの頂点を付けた時のNASDAQは1999年8月の2442から天井2000年3月の5132まで7カ月で2.1倍の大ラリーをやって、大崩壊したこともある。

 しかしイェール大学のロバート・シラー教授の編み出したCAPE(cyclical adjusted price earnings ratio)という長期の株価収益率が27倍に達しており、すでに過去100年間で4度目の高値の水準に来ているといわれているので、まさか株価が、さらに大幅に上昇することはないだろう。

 いずれにせよ時間の問題で相場は高値を示現することになるだろう。

 終わりは始まっている。

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