若林栄四 ニューヨークからの便り

若林栄四(わかばやし・えいし)

1966年東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍する傍ら、日本では株式会社ワカヤバシ エフエックス アソシエイツ(本邦法人)の代表取締役を務める。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
・富の不均衡バブル
・etc

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投信の躍進を黙認してきたFRB、米国経済は何処へ

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SEC(米国証券取引委員会)は、資金運用業界が、銀行のようにいざマーケット崩壊の時に、どの程度まで耐えられるのかと懸念し始めている。

50兆ドルといわれる資金運用産業の預かり資産がどの程度のストレスに耐えられるのか。

投資信託会社のビッグ5はブラック-ロック4.59兆ドル、ヴァンガード・グループ2.86兆ドル、ステート・ストリート2.48兆ドル、ピムコ1.97兆ドル、フィデリティー1.95兆ドルとなっている。これらの大手会社に銀行と同じく“大きすぎてつぶせない”から税金投入を余儀なくされる自体が起こる可能性がどの程度あるのか。またその事態を回避するためにどの程度の規制が必要かということを、SECが検討し始めている。

少し遅すぎるのではないかというのが筆者の印象であるが、とりあえず銀行に網をかけるのが最初で、証券界は後回しにされたということだろう。

オルタナティブ投資信託はデリバティブを使って運用益を最大化する商品であり、今最も売れ筋の商品である。一般大衆がどの程度のこのリスクを理解しているか。一旦緩急あった場合の巨大な払い戻しに市場、あるいは投信会社が耐えられるのか。また低金利時代の常として、利回りを極大化するための商品が出回っている。レバレッジETFなどもその典型で、構造的にこの業界を吹き飛ばしてしまうリスクが含まれている。

リーマンショックは銀行業界のやり過ぎが招いたものだが、次に来るものは資産運用産業のやりすぎから来る反動の大幅株安が懸念される。低金利の時代はすぐにバブルが発生するが、今回の米国株のケースはFRBがバブルを使って、景気回復を狙ったわけで筋が非常に悪い。

第1次世界大戦の後これだけの惨禍を蒙ったから2度とこのような大戦は起こらないだろうという人々の希望に反して、すぐに続いて第2次世界大戦が起こった。基本的には第1次大戦で明らかになった諸矛盾を解決することなく、戦争を終結したために、またすぐ同じ問題で戦うことになった。

リーマンショックの惨禍を見たので、当分大丈夫だろうというのは、第1次大戦後の希望的観測と同じようなものだろう。米国そのものが面している、巨大な矛盾の根本が解決されていないまま、FRBの介入で小手先の手段で対症療法に走ったツケは、次のさらに大きな問題をインバイトするだけである。

まさにそれが始まろうとしているのが今の米国だろう。

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