若林栄四 ニューヨークからの便り

若林栄四(わかばやし・えいし)

1966年東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍する傍ら、日本では株式会社ワカヤバシ エフエックス アソシエイツ(本邦法人)の代表取締役を務める。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
・富の不均衡バブル
・etc

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閑話休題 「米国大統領選のその後」

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日本は選挙のシーズンである。
アメリカは選挙が終わって、財政の崖のシーズンである。
オバマ大統領は2010年の中間選挙で下院が共和党多数となったことから、過去2回共和党下院に降伏している。

一つはオバマの2008年の選挙公約であったブッシュ減税の2010年末の失効を、景気対策のためという下院に引きずられて屈辱的な敗北を喫し、減税延長を余儀なくされたことである。
もう一つは2011年8月に、連邦債務シーリングの引き上げを下院が承諾する代わり、大幅な歳出削減、今後10年間で4兆ドルの財政改善を呑まされた。

この2度の敗北はオバマの喧嘩下手なところを付け入られたわけである。
オバマはどちらかというと性善説で相手も大人の対応でくるだろうと構えていたところ、実は相手は悪ガキだったということで、譲らされてしまった。

今度は3度目のショウダウン(対決)である。
オバマは今度、はじめから悪ガキ相手の作戦でくるはずである。
徹底的に譲らない形、すなわち25万ドル以上の所得層の増税だけは絶対に譲らない姿勢をとるだろう。今共和党が言っている税控除を縮小することによる歳入増はオバマの中では到底受け入れられない。金持ち増税が大事なのである。

今オバマが持っている梃子はこのまま減税を失効させると、中間層も増税となり。共和党は金持ちの利益を擁護するために、中間層から貧困層まで増税に引きずり込んだ政党というレッテルを張ることができる。もう一つの梃子はこのまま両党が合意に達しないと、自動的に1兆ドルの歳出削減が発動され、その中で共和党が最もダメージを受ける軍事費の削減が6000億ドルに達するといわれていることである。共和党は、軍事費は歳出削減の範疇に入らない聖域であると考えていた。2011年8月の債務シーリングの協議の合意にこの条項(軍事費を聖域としない)を滑り込ませた民主党はスマートだった。共和党は2010年の中間選挙の圧勝でおごり高ぶり、2012年の選挙も圧勝と考えていたので、どうせその程度の条項を入れても2012年の選挙で上下院、ホワイトハウスを制すれば結果的に無視できると考えたようだ。

今のオバマの作戦はとりあえず中間層以下のブッシュ減税の延長である。金持ち増税は次の段階で協議するという作戦である。
共和党は中間層以下と富裕層を切り離した減税延長はどうしても受けられないと言っている。
今のところ民主党優勢である。

問題は来年2月ごろに再び連邦債務シーリングの増額が必要になることである。
これは議会の承認を要するので、共和党はこれを人質にどの程度まで。選挙民の集団意志を無視できるか。共和党もその梃子の使いながらの抵抗戦術である。

まず危機的な状況になるまで、どちらも瞬きしないだろう。

せっかくここ数週間は米国株が持ち直してきているのに、これらの要因が確実にマーケットにも影響を及ぼすと見られている、米国株の今後も要注意である。

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日本は選挙のシーズンである。
アメリカは選挙が終わって、財政の崖のシーズンである。
オバマ大統領は2010年の中間選挙で下院が共和党多数となったことから、過去2回共和党下院に降伏している。

一つはオバマの2008年の選挙公約であったブッシュ減税の2010年末の失効を、景気対策のためという下院に引きずられて屈辱的な敗北を喫し、減税延長を余儀なくされたことである。
もう一つは2011年8月に、連邦債務シーリングの引き上げを下院が承諾する代わり、大幅な歳出削減、今後10年間で4兆ドルの財政改善を呑まされた。

この2度の敗北はオバマの喧嘩下手なところを付け入られたわけである。
オバマはどちらかというと性善説で相手も大人の対応でくるだろうと構えていたところ、実は相手は悪ガキだったということで、譲らされてしまった。

今度は3度目のショウダウン(対決)である。
オバマは今度、はじめから悪ガキ相手の作戦でくるはずである。
徹底的に譲らない形、すなわち25万ドル以上の所得層の増税だけは絶対に譲らない姿勢をとるだろう。今共和党が言っている税控除を縮小することによる歳入増はオバマの中では到底受け入れられない。金持ち増税が大事なのである。

今オバマが持っている梃子はこのまま減税を失効させると、中間層も増税となり。共和党は金持ちの利益を擁護するために、中間層から貧困層まで増税に引きずり込んだ政党というレッテルを張ることができる。もう一つの梃子はこのまま両党が合意に達しないと、自動的に1兆ドルの歳出削減が発動され、その中で共和党が最もダメージを受ける軍事費の削減が6000億ドルに達するといわれていることである。共和党は、軍事費は歳出削減の範疇に入らない聖域であると考えていた。2011年8月の債務シーリングの協議の合意にこの条項(軍事費を聖域としない)を滑り込ませた民主党はスマートだった。共和党は2010年の中間選挙の圧勝でおごり高ぶり、2012年の選挙も圧勝と考えていたので、どうせその程度の条項を入れても2012年の選挙で上下院、ホワイトハウスを制すれば結果的に無視できると考えたようだ。

今のオバマの作戦はとりあえず中間層以下のブッシュ減税の延長である。金持ち増税は次の段階で協議するという作戦である。
共和党は中間層以下と富裕層を切り離した減税延長はどうしても受けられないと言っている。
今のところ民主党優勢である。

問題は来年2月ごろに再び連邦債務シーリングの増額が必要になることである。
これは議会の承認を要するので、共和党はこれを人質にどの程度まで。選挙民の集団意志を無視できるか。共和党もその梃子の使いながらの抵抗戦術である。

まず危機的な状況になるまで、どちらも瞬きしないだろう。

せっかくここ数週間は米国株が持ち直してきているのに、これらの要因が確実にマーケットにも影響を及ぼすと見られている、米国株の今後も要注意である。

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