中国株投資家のみなさん、こんにちは。
23日(木)の香港ハンセン指数は安寄り後、終日売りに押される展開となりました。終値は1.58%安の27267.13ポイントで引けました。
日足チャートは200日移動平均線割れとなりました。
23日(木)の中国企業指数は1.92%安となりました。
厳しい下げが続いています。
参考として、2018年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。
下げ要因は、説明するまでもありませんが、米中貿易戦争の激化です。
20日(月)のブログで紹介しましたが、トランプ大統領は華為技術への輸出禁止措置を発表しました。
この点について、華為技術の任正非CEOは、ネックとなる半導体については、事前にため込んでおいた在庫や、子会社である海思半導体での増産で対応できると発言しています。
ネットワーク設備のユーザーやビジネス上のパートナーは、すぐに取引停止を強要されれば業務に大きな支障をきたします。
彼らが輸出禁止に伴う事務処理を済ませるためにはある程度時間が必要です。
それ以上に、一方的に取引を停止すれば、訴訟は免れません。
そうした点を考慮して、アメリカ商務省は20日(月)、華為技術に対する輸出禁止規制について、90日間延期し、8月中旬以降発動すると発表しています。
メンテナンスだけではなく、あらゆる取引が90日間は黙認されるとみられます。
どうやら、危機を乗り越えられそうだ思われた矢先の22日(水)、ソフトバンクグループ傘下のイギリス半導体設計大手であるアーム・ホールディングスは、海思半導体との取引停止を示唆しました。
もし本当にそうなれば、海思半導体は製造に大きな支障をきたす可能性があります。
また、日本のメディアは"パナソニックは22日(水)、華為技術との取引を中止した"と報道したのですが、パナソニックの中国子会社である松下電器中国は23日(木)、"華為技術との取引は正常であり、メディアによる取引停止の報道は事実ではない"と発表しました。
そのほか、東芝は23日(木)、"華為技術向けの電子デバイスの出荷を一時停止したが、すぐに全面的に再開した"と発表しました。
いろいろな情報が飛び交っているのですが、いまのところ輸出禁止の影響について、はっきりとは読めないのが実情です。
メディアの報道によればトランプ政権は、華為技術以外にも、音声認識技術の科大訊飛(002230)、監視カメラの杭州海康威視数字技術(002415)、浙江大華技術(002236)、顔認証技術の北京曠視科技(メグビー)、ネットセキュリティーの厦門市美亜柏科信息(300188)について、禁輸措置対象企業のリストに加えることを検討しているそうです。
トランプ政権はピンポイントで企業に対する攻撃を激化させていますが、市場関係者は中国側の出方に注目しています。
本土A株では、華為技術への禁輸措置が発表された先週後半以降、レアメタル関連銘柄の株価が急騰しています。
習近平国家主席は20日(月)、江西省のレアアース企業である江西金力永磁科技(300748)を訪問しています。
21日(火)には共産党の長征が始まった都市である南昌市を訪れています。
市場関係者の間では、「レアアースの禁輸措置など、中国にも打つ手はあることを習近平国家主席は行動によって示している」といった見方が広がっています。
もし、中国側がそうした対抗措置を打ち出すようなことになると、グローバル経済は大混乱となるでしょう。
トランプ大統領が仕掛けたことなので、トランプ大統領しかそれを止めることはできません。
やはり、アメリカの株式市場が暴落しない限り、この問題は決着が付かないのではないでしょうか。
それまでの間、香港市場には売り圧力がかかり続ける可能性があります。