たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!!

田代尚機(たしろ・なおき)

TS・チャイナ・リサーチ代表。
1958年愛知県出身。大和総研勤務時代、北京に9年間駐在し、引受リサーチ、中国エコノミスト、中国株担当アナリストなどを担当。その後、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立。個人投資家、機関投資家向けに中国株投資に関する助言・情報提供などを行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。現在、マネックス証券で「田代尚機の注目5銘柄」を掲載中。その他、SBIサーチナ、日経CNBC、ストックボイスなど、メディアへの出演・寄稿多数。

【著書】
・中国株二季報
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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米中貿易紛争が止まらない!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

人民元安見通しが最大の売り材料!!

今週の本土市場は1日以降大きく崩れてしまった。

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1週間で上海総合指数は4.6%安となった。上海50指数は4.4%安だが、中小企業板指数は8.1%安まで売られており、全面安には違いないが、特に小型株の下げが厳しかった。
上海総合指数は7月20日(金)、23日(月)、24日(火)の上昇分をすべて帳消しにして、さらに7月6日(金)の年初来安値更新間際まで押し込まれている。

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理財商品業務の詳細な規範化を示した商業銀行理財業務監督管理弁法(意見徴収)が20日大引け後に発表された。23日に開かれた国務院常務会議では積極財政政策を加速させる方針が発表された。
こうした株価下落や景気減速に対する政府の下支え策が打ち出されたことで、中国経済の底割れリスクが軽減された。

7月31日(火)には中国共産党政治局会議が開かれた。足元の経済運営は安定している中でも変化があり、新たな問題、新たな挑戦に直面しており、外部環境において大きな変化が起きている。
主要な矛盾をしっかりと把握し、ピンポイントで強力な措置を取り、解決しなければならないと指摘している。米中貿易紛争を意識した発言で、また、23日の国務院常務会議の決定を支持する内容でもあった。
こうした好材料があったにもかかわらず株価が売られた最大の原因は米中貿易紛争の激化である。

ブルームバーグ社は7月31日、ムニューシン米財務長官と中国の劉鶴副首相の各代理が非公開協議を行い、正式な交渉を再開する方法を探っていると報じた。
貿易紛争の解消に向かって動き出したと市場が安心したものの、8月1日、トランプ政権は中国からの2000億ドル相当の輸入品に対する追加関税率を10%から25%に引き上げると正式に発表している。

これに対して、国務院関税税則委員会は3日、外貿法、輸出入関税条例などの法律、国際法の基本原則に基づき、国務院の批准の下で、アメリカ原産の5207品目、約600億ドル相当の輸入品について、25%、20%、10%、5%の関税をかけると発表。
もしアメリカが方針を変えなければ、この関税措置を実施するとしている。

米中貿易紛争の激化が直接経済に与える影響は意外に小さい。しかし、中国は明らかに、金額で及ばない分、人民元対ドルレートを元安に誘導することで、貿易紛争に対抗しようとしている。

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8月3日(金)の人民元対ドルレート基準値は1ドル=6.8322元で、27日(金)は6.7942元で、この間▲0.2%の元安となっている。4月2日の年初来高値と比べると▲8.1%の元安が進んでいる。

中国の市場は不動産、株から原材料取引に至るまで、どこも投機性が強い。中国の多くの投資家は長期的に中国の発展を信じているだろうが、足元で、貿易紛争が激化しており、長期化しそうである。
ならば、人民元を売って、ドルを買い、レバレッジをかけてドル金利高にかけるといった投機的行動に出ようとする。また、海外から流入する資金についても、人民元安は不利である。

インターバンク市場を見る限りでは、金融緩和が顕著となっているが、株式市場にとっては資金流出の影響またはその懸念の方が効果は大きいということである。

20180809_ginnkou.png
また、小型材料株については、悪材料があった。

中国証券監督管理員会は7月27日夜、「"上場企業上場廃止制度の改革改善、並びに厳格な実施に関する若干の意見"の修正に関する決定」を発表した。これは2014年に発表された"意見"の修正である。今回の主な改善内容は以下の3点である。

1.重大な違法行為があった場合の強制上場廃止に関する主要なケースの修正改善

2.証券取引所の上場廃止制度実施に関する主体的責任の強化

3.重大な違法行為があって上場廃止となる企業の支配企業、支配株主、董事、監査役、取締役など主体的な関係者に対する責任の追及

7月中旬に発生した長生生物科技(002680、深セン中小企業板)による狂犬病ワクチン生産に関する記録ねつ造事件が影響していると思われる。この銘柄も、問題が発覚する前は優良株とみられていた。
創業板、中小企業板などの中小型ハイテク株は急成長が期待できるものの、経営リスクも大きいといった見方が広がった。

共産党、国務院は景気を下支えするとしている。下げれば、政府系の市場安定化資金や中長期投資の機関投資家が買い支えるだろう。ただ、人民元安が止まらない限り、戻りの勢いはそれなりとなりそうだ。
11月のアメリカ中間選挙が終わるまでは、そうした状態が続く可能性がありそうだ。

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