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田代尚機(たしろ・なおき)

TS・チャイナ・リサーチ代表。
1958年愛知県出身。大和総研勤務時代、北京に9年間駐在し、引受リサーチ、中国エコノミスト、中国株担当アナリストなどを担当。その後、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立。個人投資家、機関投資家向けに中国株投資に関する助言・情報提供などを行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。現在、マネックス証券で「田代尚機の注目5銘柄」を掲載中。その他、SBIサーチナ、日経CNBC、ストックボイスなど、メディアへの出演・寄稿多数。

【著書】
・中国株二季報
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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本土市場、200日移動平均線の攻防

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

ファンダメンタルズ改善でも株価はなぜ下がる?
本土市場の下落が止まらない。

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先々週は1.23%下落、先週は2.25%下落した。どちらも下落したことに変わりはないが、下落の質という点では少し違う。先々週の下落は高値圏での調整の域を出なかったが、今回の下落は一旦押し目形成を示すような下落である。

週足ベース(終値)でみれば、2月3日の週以来の安値である。この2日間は19日の下値を切らなかったことで、底打ちする可能性もないとは言えないが、相場環境は芳しくない。

前週末の段階でもっとも心配されたのは北朝鮮情勢であったが、その後、危機的状況は回避されたようである。

アメリカが北朝鮮に対して軍事攻撃を仕掛ければ、最も危険にさらされるのは、いうまでもなく韓国である。しかし、韓国の株式市場を代表する韓国総合株価指数の動きを見ると、直近の終値ベースの安値は4月11日の2123.85ポイントである。
その後は下値を切り上げており、先週に入り上げ下げはあったものの、21日は2日間続騰となり、終値は2165.04ポイントとなっている。これは直近のピークである3月21日の2178.38ポイントまで後0.6%である。
ここを超えると昨年来高値となる。史上最高値(終値ベース)は2011年5月2日に記録した2228.96ポイントで、そこまであと3.0%である。

tashiro_20170427.02.png

韓国株式市場の主要投資家が暢気であるとみるよりも、実際はアメリカが先制攻撃を仕掛ける可能性は低いと読んだ方がよさそうだ。日本の報道に偏りがあるかもしれない。

中国については、14日の報道については確かに目立ったものの、先週に入ってからの報道はトーンダウンしている。

北朝鮮情勢の影響はそれほど大きくなかったとすると、先週の本土市場はなぜ下げたのだろうか?

まず、好材料があったことを指摘しておきたい。

国家統計局は17日、2017年1-3月期の成長率、3月の月次統計を発表、結果はいずれも事前予想を上回る内容であった。

2017年1-3月期の実質経済成長率であるが、6.9%で2016年10-12月期、市場コンセンサスである6.8%を0.1ポイント上回った。3月に開催された全人代で決められた今年の成長率目標は6.5%程度であるが、これを0.4ポイントほど上回っている。

3月の月次統計について、結果だけ示しておくと、鉱工業生産、固定資産投資、小売売上高、輸出の伸び率は前月を上回り、かつ、予想を上振れしている。

また、19日には、国務院常務会議において、減税政策が打ち出された。1月1日から実施されている減税政策によって、第1四半期は2000億元程度の減税効果があった。
今回の減税政策が加わったことから、これから年末にかけてさらに3800億元程度の減税効果が現れるとみられる。


そのほか、4月6日、7日に行われた習近平国家主席とトランプ大統領の会談を通して、米中貿易摩擦は緩和される方向に動き出している。

4月12日、トランプ大統領はメディアの取材を受けて、「中国において為替操作は存在しない」と発言した。
さらに、トランプ大統領は、中国側が人民元の安定に努めており、人民元が下落するのを阻止しているといった客観的事実を認め、アメリカ側は人民元に対して長期的に存在する一種の偏見、誤解を改めたなどとマスコミ(中国証券報など)は報じている。

また、外交部は18日、中外メディアに対してブリーフィングを行い、王毅部長、国家発展改革委員会の王暁涛副主任がそれぞれ"一帯一路"国際協力サミットフィーラムに関する一連の活動状況を説明した。
それによると、フォーラムは5月14日から15日にかけて北京で開催され、習近平国家主席が開幕式に出席、首脳による円卓サミット会議を主催する。円卓サミット会議には28カ国の国家元首、政府首脳の出席が予定されている。
これらの元首以外に、110カ国の官僚、学者、企業家、金融機関、メディアなどの代表や61の国際組織から89人の責任者が出席する予定である。全体では1200人以上が出席する会議となる。これは中国において今年、最も重要な外交行事の一つである。

これだけの好材料がありながら、株価は反応しない。何故か?本土の主要投資家はファンダメンタルズよりも、政府による市場管理を重視しているからだ。

今回の下落について、最大の要因は当局による市場への介入である。

4月前半の上げ相場をけん引したのは雄安新区関連銘柄である。
特に、金隅股フェン(601992)、巨力索具(002342)、河北宣工(000923)、渤海股フェン(000605)、唐山港(601000)、保変電気(600550)といった銘柄が連日ストップ高を続けていたが13日、突然、売買停止となった。
上海上場の各社は、「10日、11日、12日の3日間で株価が累計で20%超上昇しているが、これは株式取引の異常変動に該当し、上海取引所規則により売買停止となった」と公告している。しかし、ここで取り上げた銘柄は、7日の段階で既に20%超の上昇となっている。
良く調べてみると、このルールは2017年4月8日に発布されている。ちなみに、深セン上場企業については、2日で20%超株価が動いた場合、広告を出すルールとなっており、その都度、取引は停止せず、広告を出している。
取引停止となったのは同じく13日からで、理由は株価の異常変動である。つまり、今回の売買停止は、雄安新区関連銘柄の急騰を目の当たりにして、当局がその場でルールを作るなどして、強制的に売買を停止させたとみるべきであろう。

結局、売買停止は2日間だけで、17日から取引が再開されたものの、株価は大きく下落した。各社の公告は、雄安新区建設によりファンダメンタルズが大きく変化するといった客観的事実は今のところ存在しないといった趣旨の内容である。
相場の柱が折れてしまったことも大きいが、それ以上に投資家心理の悪化が大きい。

本土市場では、短期筋の投機家が相場の方向性を決める大きな力を持っている。逆に言えば、長期投資家の育成が進んでいない。最も期待されるのは社会保障資金であるが、依然として規模が小さい。
そのほか、保険会社、QFII、事業法人(資本提携目的の買い)、SWFなどが長期投資家として期待されているものの、実際に相場を下支えることはあっても、業績が良いからと言って相場をけん引するほどの買いが出てくるわけではない。
だから、業績相場が発生しにくのである。

金融当局は現在、流動性を絞りつつある。その点を含め、当局の株式市場への態度はやや厳しいものとなっている。

もっとも、当局の管理が厳しいのは、株式市場を取り巻く環境が良いからである。管理しなければ、今回の雄安新区関連のように簡単に急騰してしまう。外部から資金を呼び込むと同時に、売買の回転が高まり、市場全体がバブル化してしまう。
2006~2007年にかけての大バブル相場や、2015年前半の小バブル相場のようなことが起きてしまう。

逆に言えば、下落余地は限られる。長期投資家にとって、現在の下げは絶好の買場でもある。

 

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