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田代尚機(たしろ・なおき)

TS・チャイナ・リサーチ代表。
1958年愛知県出身。大和総研勤務時代、北京に9年間駐在し、引受リサーチ、中国エコノミスト、中国株担当アナリストなどを担当。その後、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立。個人投資家、機関投資家向けに中国株投資に関する助言・情報提供などを行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。現在、マネックス証券で「田代尚機の注目5銘柄」を掲載中。その他、SBIサーチナ、日経CNBC、ストックボイスなど、メディアへの出演・寄稿多数。

【著書】
・中国株二季報
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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上海総合指数、2017年末は3800ポイント?

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 中国株投資の皆さん、こんにちは。

 来年の本土市場はどうなるのだろうか?

 本土のほとんどの投資家は「景気が良くなる見通しがあれば株を買い、悪くなるようなら株を売る」といったような考え方をしてくれない。主観を排し、「株は上がり始めたから買い、下がり始めたから売る」といった行動を取る人が多い。

 また、いろいろな方面で当局の介入が多い。だから、ほとんどの投資家が当局の姿勢を注視しながら株取引を行っている。

 当局は資本市場の健全な発展を望んでいる。バブルを発生させかねない投機行為、違法行為を厳しく取り締まる一方で、安定した相場形成がなされるよう投資家構造を多様化させようとしている。

 良くも悪くも当局の政策が株価の方向を決めるといって良いだろう。

 今年の相場を振り返ってみると、当局の政策が株式市場にどのような形で影響したのかよくわかる。

 昨年の上海総合指数は年初に急落。その後、急落分を少しずつ取り戻すといった相場であった。

 年初来高値は、今年最初の取引日である1月4日の寄付き直後に記録した3538.69ポイント。また、最安値は1月27日の安値2638.30ポイントである(ただし、12月23日現在)。

 わずか、17営業日で1年分の変動幅を記録している。出来高合計を見る限り、機関投資家も含め、多くの投資家が逃げきれなかったはずである。ここを上手く切り抜けられたかどうかで今年の投資収益は大きく差がつきそうである。

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 急落のきっかけは1月4日から始まったサーキットブレーカー制度である(ただし、導入されたのはわずか4日間だけで、1月8日には運用停止となっている)。

 サーキットブレーカー制度とは、急激に株価が変動した際に取引を自動的に止める制度である。まず、上海深セン300指数(CSI300)が5%変動した場合、上海、深セン市場の全銘柄の取引を15分間停止する。再開後、7%変動した場合、その日の取引を停止するといったシステムである。

 この制度導入の目的は株価が急変した際、投資家に冷静になる時間を与え、株価を安定させることにある。しかし、こうした効果はアメリカでの話であり、中国においては安定させるどころか大きく不安定化させてしまう。中国の投資家構造はアメリカとは大きく異なるからである。

 アメリカには高速取引を繰り返すヘッジファンドからバイ&ホールド型のバリュー投資を行う機関投資家まで幅広い層の投資家が存在する。"一方が売れば一方が買う"、あるいは"下がれば買い、上がれば売る"といった行動をする投資家が十分に存在する。

しかし、中国の投資家はそうではない。本土市場では多数を占める個人投資家や個人が預ける資金を運用する私募ファンド、公募ファンドの運用者たちは一様に短期志向である。ファンダメンタルズを軽視し、テクニカル分析、需給や材料を重視する。また、"下がれば売り、上がれば買う"。本土市場は本質的に不安定である。

 上海深セン300指数の値動きは早く、わずか5%で取引が停止してしまうようでは、損切、見切り売りの警戒レベルを引き上げざるを得ない。また、15分の取引停止は投資家を落ち着かせるどころか、異常心理が拡散するのに時間を与えてしまう。それに後2%下がったらその日、取引できなくなるのでは、誰でも売りたくなるのは当然である。

 昨年10月以降、相場は急落からの自律回復過程にあり、12月下旬はそうした戻り相場が一段落しつつあった。その上に、いくつか悪材料があった。

(1)IPO制度がこれから登録制に変わり、需給悪化が起きそうなこと
(2)7月に行った大株主、企業の取締役、監査役、高級幹部に対する売買禁止措置の期限が到来し、大量の売り物が出てきそうなこと
(3)人民元安が進んでおり、流動性が不足しそうなこと
(4)季節要因として、春節前は例年、流動性が不足すること
などである。

 少し整理してまとめると、急落後の自律回復が一段落したところにいくつかの悪材料が発生した。そのタイミングで本土市場では株価形成を不安定にしかねないサーキットブレーカー制度が導入されたことで、大惨事となったのである。

一旦下げ止まった後は、徐々に投資家心理は回復、上げ下げはあったものの、緩やかな上昇トレンドが形成されている。

 そうした中で、当局は下値で買ってくれて、その後長期保有してくれそうな保険会社や、長期投資目的の事業会社などに対して、規制、取り締まりを緩くしたり、社会保障資金の株式市場参入を推し進めたり、深港通サービスを開通させ海外からの資金を導入したりするなど、資本市場改革の名のもとに、株価下支えを行った。それが底割れを防ぎ、相場の安定につながった・・・。

 このように当局の関与による相場への影響が大きい以上、来年の相場を予想するためには、まず、当局が何をしようとしているのかを考える必要があるだろう。

 足元では、機関投資家の投資行動について、監督管理を強化せざるを得ない状況となっている。

 これについては、投資家側に問題がある。
 
 保険会社は、当局による株式投資に対する規制緩和や監督管理の軟化などを商機と考え、生命保険商品ではありながら、保証利回りの高い商品を積極的に販売した。万能保険(ユニバーサル保険)といった「生命保険に投資信託を組み合わせたような商品」を各社こぞって売り出した。

 もっとも、これだけで終われば、当局が熱望する長期投資家の育成につながる良い話である。問題は、一部の生命保険会社がこの運用資産で以て親会社の敵対的買収や、株価を釣り上げて高値で売るといった投機の道具としたのである。

こうした乱暴な経営を行う経営者に生命保険事業をやらせてしまったこと、早い段階で抑制できなかったことは、当局の責任である。

 証券会社にも問題がある。あくまで社員(国海証券)の不祥事ではあるが、社印を偽造し、大きなレバレッジをかけた上での債券取引を行ったことが発覚した。

しかし、これは特定の証券会社による不祥事というよりも、現先取引を使って大きなレバレッジをかけて行われる国債取引が横行しているという事実が改めて浮き彫りにされたことに重大な意味がある。

 証券会社においては、2014年後半から2015年前半にかけての大相場で、当局が監督管理を強化したにもかかわらず、リスク管理を怠り、顧客に対する信用取引を急拡大させてしまったといった経緯もある。

 銀行はいくら当局が監督管理を厳しくしようとも、相変わらず理財商品で荒稼ぎしようといった動きが止まらない。理財商品とは投資信託商品である。金利の自由化に加え、景気低迷による資金需要の鈍化、インベストメントバンカーとしての技量の不足などから、中堅以下の銀行では経営環境が厳しくなっている。

 そうした中で、安易な高利回り商品を開発、手数料ビジネスを拡大しようとしている。高利回りの追求は高リスクの運用を増やすことになる。

不動産業者向けの貸出や与信能力の低い住宅購入希望者に対するリスクを度外視した貸出を行ったり、現先を使った国債取引や、短期的な利益を追求するような株式投機を行っている機関もある。コンプライアンス上、問題があるようなオペレーションをするところが多いということである。

 自由化、規制緩和にはこうした大きな弱点がある。監督管理のレベルが実態に追いつかないのである。

 今年も、"自由化⇒金融機関の暴走⇒監督管理の強化⇒金融機関の業績失速⇒自由化・・・"といったサイクルの中で、株価のその動きにそって変動しそうである・・・。

 来年の予想について。

 少し厳しく書きすぎた感がある。ここで示した問題は今に始まったことではない。以前からずっと存在する問題である。また、政治的な要因から来年は、当局の株価下落に対する寛容度が小さくなるとみている。

上海総合指数は年内、或いは1月上旬には底打ちすると予想している。さらに、当局はその後も金融機関の暴走を何とか食い止められるといった前提に立ち、来年の上海総合指数の動きを予想すれば以下の通りである。

2017年2月に3300ポイント、7月に3600ポイント、12月には3800ポイントに達すると予想する(ここで示したのは天井で、これらの間では一旦、押し目形成)。

tashiro_20161229_02.png

注)
・3月上旬の全人代開催前に一旦ピークを付ける
・メーデー休暇明けあたりから政策発動が増え上昇へ
・夏から秋にかけてはテクニカルな調整
・国慶節以降は政策期待から上昇へ
(TS・チャイナ・リサーチ予想)

一応、具体的な数字を示してみたが、足元の押し目がどこまで深いのかによって1月の起点が違ってくる。

どんな結果になろうとも、当局の政策、監督管理がすべてのカギを握っているといった状況に変わりはない。

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