酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」

酒匂隆雄(さこう・たかお)

酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

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何故、ドル高か?

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ドル・円相場は昨日のニューヨーク市場で高値111.58を付け、丁度ひと月前のレベルまで戻した。

 

39日に付けた安値101.19から1039銭の急騰である。

chart 24 3.bmp

(2月20日からのドル・円相場日足のローソク足)

 

何故、ドルはこんなに早く、そして大きく上昇したのであろうか?

 

二つの大きな理由が有ると考えている。

 

先ずその一。

-マージン・コールの発生。

先日も此処で話した様に今回のコロナ・ショックによる世界中の金融市場の混乱で、巨額のマージンコール・コール(約1,400兆円とも言われる。)が発生し、手元にドルの流動性が必要な投資家(投機家?)が保有していた巨額の金融資産の処分に迫られた。

一気に株、債券、金や原油などの金融商品を処分して現金化(ドルに換える。)した為に、これらの価格は暴落し、ドルは急上昇した。

 

ドルは対円だけではなく、対ユーロ、対ポンド、対豪・ドル、対ニュージーランド・ドルでも急騰した。

 

我々が金融取引を行う場合、信用リスク(取引相手の信用度を計る。)、レート・リスク(相場が上下するリスク。)、そしてリクイディティー・リスク(取引する際の市場の流動性の高低、或いは有無。)を考えるが、通常はレート・リスクを一番重要視する。

言い換えれば相場の上下に一番気を使う。

ところが今回のコロナ・ウィルス騒動の様に、突然市場が大荒れに成ると保有資産の売却が出来るのか、或いは保有するポジションの反対取引が出来るのかが最も重要な要件となる。

言い換えればリクイディティー・リスク(流動性・リスク)が最も大事になる訳である。

そしてリクイディティー(流動性)が有る限り、売却と反対取引が続き当然価格が一方向(今回は下げ方向)にオーバー・シュートすることになる。

 

その二。

-中央銀行の外貨準備調整。

 

昨日、対ドルでインド・ルピーが史上最安値を更新したニュースが流れたが、今回のドル上昇の煽りで新興国通貨の下落が激しい。

インドは約4,700億ドル、お隣の韓国は約4,000億ドルの外貨準備を保有するが、これらの国々は通貨防衛の為に自国通貨買い&ドル売り介入を行う。

外貨準備の構成はSDR.のそれとよく似ていると思われ(中国人民元を外貨準備に組み入れている国は多くは無かろう。)、大体ドルが60%、ユーロが20%、円が10%、そしてポンドなどのその他通貨が10%くらいと思われる。

 

ある国、例えば韓国がウォン防衛の為に400億ドルのドル売り&ウォン買い介入を行ったとすると外貨準備総額は3,600億ドルに減り、ドルの外貨準備は(4,000億ドル×60%=2,400億ドル)から400億ドルをひいた2,000億ドルとなり、これは外貨準備総額の56%でこれを将来の介入準備の止めに元の60%に戻すには、他の構成通貨であるユーロ、円、そしてその他通貨を売ってドルを購入する必要が出て来る。

韓国以外にも割合外貨準備の潤沢なブラジル(約3,600億ドル)、メキシコ(約1.900億ドル)、そしてインド(約4,700億ドル)などの新興国が同じ様なオペレーションを行った可能性は大であろう。

 

中々目に見えない中央銀行による壮大なドル買いである。

 

 

これらの要因でドルは大きく上昇したのではなかろうか?

 

では何時このドルの上昇は収まるのであろうか?

 

昨日米連邦準備理事会(FRB)は緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買い取る無制限の量的緩和(QE)を決定した。

二回の計1.5%の大幅な利下げに次ぐ金融緩和策であり、市場の流動性確保の為には"何でもやる。"と言う覚悟を見せた。

 

これで投資家(投機家)は流動性確保の為の保有資産の投げ売りをする必要性は減少したのではなかろうか?

 

とは言え、コロナ・ウィルスの猛威は衰えるどころか、世界中で諸々の規制が増しつつある。

 

未だ油断は大敵ではあるが、今日の日経平均株価は午後1時半現在で約900円の上げを見せ(一時は1,000円を超える上昇を見せていた。)、NYダウ先物CME.も昨日までとは打って変わってアジア時間に上げて取引されている。

 

多少は金融市場の不安は収まりつつあるのかな?

 

何度も言う様に今は未曽有の金融危機(とまでは行っていないか?)の真っ最中。

過去の経験則は役に立たない。

 

兎に角今はリスク管理をきちんとして、ディフェンシブ(防御的)なスタンスで参りましょう。

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桜は咲いたが。

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今日は春分の日でお休み。

関東地方はよく晴れているが風が強く、花粉がたくさん飛んで大変だ。
絶好のお花見日和なのだろうが新型コロナ・ウィルスの影響で人の出は鈍い。

我が家の在る横浜本牧地区にも桜道や、何かあったときの公益避難場所である桜が一杯咲いている本牧山頂公園があるが何だか余り行く気がしないな。

世の中、新型コロナ・ウィルスの影響による暗いニュースが連日報道され、得も言われぬ閉塞感が有り、浮かれた気分になれないのかも知れない。

それにしても連日ここでも書いているように依然として世界中の金融マーケットのゴタゴタが収まらない。
さすがに連日下げ続けたダウ30種平均株価は昨日188ドル上げて20,000ドルの大台を回復したがドル円相場はあれよあれよと言う間に110円台の大台を超え今日の東京市場ではなんと高値111.36まで上伸した。

その後は利食いの売りで110円割れまで落ちているが、まさかこの短期間で111円を超えるとは誰も考えていなかったと思う。
つい10日前には安値101.19まで下げており、たった10日で何と去年の1年間の値幅である10円を超えた!

今何が起きているかと言うと、兎に角キャッシュが欲しい投資家が多く、相場がどうこうよりもドルを手に入れられるかどうかかの不安が大きく、所謂レート・リスク(相場が上下して既存のポジションの価値が増減するリスク。)からリクイディティー・リスク(既存のポジションを整理してキャッシュに替える流動性が有るかどうかのリスク。)に変わったと言えようか。

こういう状況では、例えば相場が下がったから売っとけばよかったとか、逆に相場が上がったから買っておけばよかったなどと言う"ああすれば良かった。"などと言う議論は余り意味が無い。

この大きな相場展開で利益を上げた人は"ああ、良かったな。"と思えば良いし、残念ながら損失を被った人は"次は上手くやろう。"と思えば良いし、何も出来なかった人はまた損をしなかっただけでも、それで良し。


兎に角現状では損失を被らないようにディフェンシブ(防御的)な取引をすることが肝要であろう。

少しはゆっくり致しましょうか?

(とは言え、下がれば"もっと下がるだろう。"と思い、上がれば"もっと上がるだろう。"と手を出したくなっちゃうんですよね......)

止めとこ。

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Managed risk, and better return.

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今朝未だ東京市場が開く7時前にFRB.が突然1%の利下げと7,000億ドルにも上る債券購入の緊急緩和策を発表した。

 

ドル・円相場は下げで反応し、一時105.75の安値を付けたが、我々の年金を運用するクジラの異名を取るGPIF.=(年金積立金管理運用独立行政法人)の買いと思われる動きでじりじりと値を戻し、一時高値107.56まで戻すと言う荒い動きを見せた。

 

日銀もお昼過ぎにETF.の購入額を倍にするという株価対策を打ち出したが具体的な緩和策が発表されず、株式市場はがっかりして日経平均株価は高値圏の17,785円から安値圏の17,000円近辺まで下落した。

 

NYダウ先物CME.FRB.の緩和アナウンス直後から21,800ドル近辺で下値低迷しており、これは金曜日の終値23,185.62ドルから約1,400ドル下げている。

このままでは今晩のニューヨーク株式市場も下げて始まる可能性が大であろう。

 

どうやら日米株式市場とも中央銀行の緊急緩和策には冷たく反応した模様である。

 

 

ドル・円相場は先週1週間足らずで安値101.19、高値108.49を付けて実に730銭の値幅を付けると言う怒涛の1週間となったが、今日も波乱の週の幕開けとなった。

 

相場の動きが激しいが、現状の新型コロナ・ウィルスに対する画期的な治療法が見つからないと言う状況ではリスク・オンとなってドル・円相場が大きく上に行くとも思えない。

 

とは言え先週1週間足らずで7円以上も急上昇したのも事実。

 

値ごろ感でドルの上昇に対して逆張り(相場の上げに対して売り向かう。)すると痛い目に遭う事も有るので値動きに注意しながら賢明なリスク管理をすることが肝要であろう。

 

No risk, no return.=(リスクを取らないで何もしない。)では詰まらない。

かと言ってこの様な状況でHigh risk, high return.=(大きなリスクを取って大きなリターンを狙う。)は危ない。

Managed risk, and better return.=(リスク管理を上手にやって、より良いリターンを求める。)の堅実なやり方で上手く乗り切りましょう。

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アメリカがやばい。

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トランプ大統領がイギリスを除く欧州からの旅行者を30日入国禁止にすると宣言し、株は売られ、債券は買われ(金利は下がる。)、当然ドル・円相場は再び大きく下げている。

 

これで欧米間の旅行者の行き来が減るだけでなく、当然フライトの多くがキャンセルに成るので物量に大きな支障を来すことになるかも知れない。

 

アメリカがやばいことになりそうだ。

 

典型的なリスク・オフ相場の再開だ。

 

アメリカは地理学的に新型・コロナウィルスの発生地である中国から遠く、今回の新型・コロナウィルスの影響は少ないと思われていたが、今では感染者が続々と増えついにトランプ大統領は強権を発動した。

 

アメリカで怖いのは貧富の差が大きくてきちんと治療を受けられる人はいいが、そうでない人は何も出来ない。

多くが保険に入っていない。

クスリも買えない。

 

恐らくFRB.は来週のFOMC.で追加緩和を行うであろうが、そろそろ利下げののり代が小さくなりつつあり、残すはQE.=(量的緩和)と言う話が出て来ると株にはポジティブだがドル・円には大きなマイナス材料となる。

 

日中の値幅のブレが大きくて中々トレードをするのが難しいが、Sell on rallies.=(上がれば売る。)と言う戦略が有効か?

 

うん、やはり難しい!

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まるでヨーヨーの動きの様に。

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金融市場の動きが落ち着かない。

株価、債券相場が乱高下している。

比較的Volatility.=(変動率)が低いと言われるドル・円相場も月曜日の安値101.19から昨日は高値105.91迄4円72銭も戻した。

昨日一日だけでも安値102.03、高値105.91と3円88銭動いたがこの動きは一方的なものではなく、実は日中も上下に激しく動いた。

昨日の早朝から今朝までの大きな動きを拾うと何と11円74銭も動いているのだ。

3月10日の動き。
午前6:30 102.01
午後2:30 105.01(+3.00)
午後 5:00 103.72(-1.29)
午後 7:50 105.21(+1.49)

3月11日
午前 0:30 103.21(-2.00)
午前 4:20 105.91(+2.70)
午前 10:30 104.65(-1.26)

計 11.74

chart 11 3.bmp

昔相場が上下に頻繁に動くとIt is moving like a Yo-yo.=( ヨーヨーの様に動いている。)と言ったが、正にそれだ。

此れだけ動くと利益チャンスが沢山有りそうだが、逆に損をするリスクも大きい。

昨日の動きを見ると103円台では買って105円台で売っていれば利益チャンスは大きく見えるが、それは結果論。

上がれば"もっと上がるかな?"と思うし(心はあれだけ下げたんだからもうそろそろ戻るだろう。)、下がれば"もっと下がるかな?"と思って(心はコロナ・ウィルス問題は未だ解決に至っておらず、リスク・オフが進めば100円割れだってあるだろう。)、中々逆張り(上がった所を売りで攻めるか下がった所を買いで攻める。)は簡単ではない。

今日は物凄く静かな感じがするが、実は午後12:40現在で安値104.61、高値105.53と1円近く動いている。

ああ、難しい!

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