蟹瀬誠一コラム「世界の風を感じて」

蟹瀬誠一(かにせ・せいいち)

国際ジャーナリスト/明治大学国際日本学部教授
(株)アバージェンス取締役
(株)ケイアソシエイツ副社長
1950年石川県生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米TIME誌特派員を経て、91年にTBS『報道特集』キャスターとして日本のテレビ報道界に転身。東欧、ベトナム、ロシア情勢など海外ニュース中心に取材・リポート。国際政治・経済・文化に詳しい。現在は『リーダー&イノベーション・賢者の選択』(日経CNBC,サンテレビ、BS-12)、『マネーの羅針盤』(テレビ東京)のメインキャスター。カンボジアに小学校を建設するボランティア活動や環境NPO理事としても活躍。
2008年より2013年3月まで明治大学国際日本学部長。
趣味は、読書、美術鑑賞、ゴルフ、テニス、スキューバ・ダイビングなど。


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地球の片隅で今も脅威の種が息づいている

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1990年代半ばに観た『アウトブレイク』という映画は背筋が寒くなる作品だった。アフリカからペット用に密輸されたサルが原因で致死率100%の殺人ウィルスがアメリカで爆発的に拡散し、人々が目や耳から出血して次々と死に至るサスペンスだったからだ。映画評論家の故淀川長治だったらきっと「怖いですね、怖いですね」と繰り返しただろう。

今、その殺人ウィルスのモデルとなったエボラ熱(致死率50~90%)の感染がアフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)で急拡大している。同国の保健省によると、これまで見つかった患者は計542人(12月18日時点)。そのうち319人がすでに死亡したという。ウィルスは野生動物から感染し、接触感染で人から人へと拡大するからやっかいだ。

コンゴのエボラ熱流行は1976年にアフリカ中部で初めて集団感染が確認されて以降10回目だが、今回は「破滅的な事態」になる可能性があると世界保健機構(WHO)は警告している。地域の無関心や地下資源を巡って繰り返される武力紛争が迅速な対応を妨げているからだ。医師が反政府勢力に殺されたりしている。

史上最悪のエボラ熱の流行は2014年、西アフリカで起きた。ご記憶の方もいらっしゃるだろう。ギニアをはじめとする西アフリカ6カ国で約2万9千人が感染し、死者数は1万1千人を超えた。医療従事者の間でも感染が起き、支援団体がボランティアを撤退させたというから並大抵のことではない。

今回のウィルスはコンゴの地方から人口が密集している都市部に急速に広がっており、「爆発的拡大」の可能性が大だ。取材先で出会う医師や看護師の献身的な働きぶりには頭が下がるが、一般人は危険地域に近づかず最新情報に注意をはらうのが得策である。

じつは、私たちの身のまわりにも20世紀最悪の人的被害を出した感染症の脅威が存在している。毎冬流行するインフルエンザだ。今では"忘れられた記憶"となっているが、1918年から19年にかけて欧州を中心に世界各地を襲ったインフルエンザ(通称スペイン風邪)は世界人口のなんと3割にあたる5億人に感染し、第一次世界大戦の死者の4倍以上の4000万人~5000万人、日本だけでも関東大震災の犠牲者の5倍近くの45万人、の命を奪っている。そうなんです。インフルエンザを甘く見ちゃいけません。世界経済にも大打撃だった。

もちろん現在ではインフルエンザに関する予防・対処情報が世間に広くしらされていて、ワクチンやタミフルが開発されているからスペイン風邪のような大流行は起きないだろう。しかし考えてみると、今は年間13億人超が飛行機や他の交通機関で世界を飛び回っている大移動時代。新たな感染症がパンデミックを引き起こすリスクは常に存在していると考えたほうがいい。

いたずらに恐怖を煽るのは好ましくないが、デング熱重症患者経験のある私としては、日本のメディアはエボラ熱にもっと関心を持って報道すべきだと思う。

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